藤ノ川は、伊勢ノ海部屋に所属する京都市西京区出身の21歳です。2026年8月31日に発表された秋場所の番付で西関脇に就き、京都府出身の三役としては1828年の緋縅以来198年ぶりという記録が付きました。この記事では、藤ノ川のプロフィールと現在の番付、両横綱から連日の金星を挙げた名古屋場所、そして9月3日に荒汐部屋で行った出稽古までを整理します。
この記事でわかること
- 藤ノ川の読み方・本名・体格などの基本プロフィール
- 2026年秋場所の番付が西関脇である理由と、三役の顔ぶれ
- 「京都出身198年ぶりの三役」がどれくらい珍しい記録なのか
- 名古屋場所で大の里・豊昇龍から連日の金星を挙げた経緯と殊勲賞
- 秋場所前に荒汐部屋で行った出稽古15番の中身と、若元春とのやり取り
藤ノ川とは?伊勢ノ海部屋の21歳・新関脇
藤ノ川は伊勢ノ海部屋に所属する京都市出身の21歳で、2026年秋場所で西関脇に就いた新三役の力士です。
2023年初場所で初土俵を踏み、所要22場所で三役へ上がりました。これは初土俵から新三役までの速さとして史上10位にあたります。幕内での出場は7場所、通算成績は58勝47敗です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 四股名 | 藤ノ川 成剛(ふじのかわ せいごう) |
| 本名 | 斎藤 成剛 |
| 生年月日 | 2005年2月22日(21歳) |
| 出身地 | 京都府京都市西京区 |
| 所属部屋 | 伊勢ノ海部屋 |
| 体格 | 177cm・123kg |
| 初土俵 | 2023年初場所 |
| 新三役 | 2026年秋場所(所要22場所) |
| 現在の番付 | 西関脇 |
| 金星 | 4個 |
| 三賞 | 殊勲賞1回・敢闘賞1回・技能賞1回 |
体格の数字が示すとおり、幕内では小柄な部類に入ります。それでいて三賞を3種類とも受けているところに、この力士の位置づけが表れています。
四股名の読みと本名|「若碇」から伊勢ノ海部屋伝統の名へ
四股名は「ふじのかわ」と読み、本名は斎藤成剛です。2025年名古屋場所に若碇から改名しました。
「藤ノ川」は伊勢ノ海部屋に伝わる四股名で、初代の生誕は1848年までさかのぼります。改名前の「若碇」は、父である元幕内・大碇の「碇」を受け継いだものでした。新入幕にあたって部屋の由緒ある名を継いだ形になります。
2026年秋場所の番付は?西関脇で新三役に
藤ノ川の2026年秋場所の番付は西関脇です。前頭筆頭から、小結を挟まずに三役へ上がりました。
番付は8月31日に発表され、秋場所は9月13日初日、両国国技館で15日間行われます。番付の最上位の階級が幕内で、その中で横綱・大関・関脇・小結の4階級を三役と呼び、残りが前頭です。藤ノ川は前頭の最上位である筆頭から、一気に関脇まで進んだことになります。
| 地位 | 東 | 西 |
|---|---|---|
| 関脇 | 熱海富士 | 藤ノ川(新三役) |
| 小結 | 伯乃富士(新三役) | 大栄翔 |
この表のとおり、秋場所は関脇・小結の4枠のうち2枠が新三役です。東関脇の熱海富士は直近2場所で計21勝を挙げており、この場所は大関昇進が懸かります。番付全体の顔ぶれは大相撲の番付表・最新版にまとめています。
京都出身198年ぶりの三役はどれくらい珍しいのか
京都府出身の三役は1828年10月場所の緋縅以来で、198年ぶりの誕生ということになります。
前例の緋縅は、のちに大関まで昇進した力士です。1828年は文政11年にあたり、この年の前後は江戸時代の後期にあたります。西郷隆盛が生まれた年でもあり、そこから明治・大正・昭和・平成・令和と5つの元号を挟んで、ようやく次の京都出身の三役が出たことになります。
1828年(文政11年)10月場所
京都出身の緋縅が三役に。のちに大関へ昇進
2026年秋場所
京都市西京区出身の藤ノ川が新関脇に
「地元出身の三役」は、その土地の相撲熱を測るひとつの目安になります。198年という間隔は、京都からの関取自体が長く途切れていたことも示しています。
名古屋場所で両横綱から連日の金星|殊勲賞の8勝7敗
東前頭筆頭だった名古屋場所で大の里と豊昇龍から連日の金星を挙げ、8勝7敗で殊勲賞を受けました。
勝ち越しは1点で、成績そのものは大きな数字ではありません。それでも三役へ押し上げられたのは、勝った相手が横綱2人だったからです。名古屋場所2日目には大の里を突き落としで破り、その流れは名古屋場所2日目の記事でも取り上げています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 幕内出場 | 7場所 |
| 幕内通算成績 | 58勝47敗 |
| 前場所(名古屋場所) | 東前頭筆頭で8勝7敗 |
| 金星 | 4個 |
| 三賞 | 殊勲賞1回・敢闘賞1回・技能賞1回 |
| 前場所までの最高位 | 前頭筆頭 |
表のとおり、幕内7場所で金星4個という比率はかなり高いものです。上位に当たる場所が限られていたことを考えると、横綱戦での強さが際立ちます。
金星4個は何を意味するのか
金星は平幕の力士が横綱に勝つことを指し、藤ノ川は幕内7場所で通算4個を積み上げています。
関脇に上がった以上、これ以上金星は増えません。三役の力士が横綱に勝っても金星にはならないためです。秋場所からは、横綱に勝つことが金星ではなく「三役としての勝ち星」として評価される立場に変わります。
123キロで大型力士を倒す相撲|70キロで入学した埼玉栄高から
177センチ123キロは幕内では小柄な部類ですが、鋭い立ち合いと小手投げで大型力士を崩します。
本人が振り返るとおり、体は最初から大きかったわけではありません。母校の埼玉栄高に入学した時点での体重は70キロでした。相撲部の山田道紀監督と早苗夫人のもとで体をつくり、新三役が決まった9月2日には母校を訪ねて昇進を報告しています。
藤ノ川本人は「体重70キロで高校に入学して、まさか大相撲で関脇に上がれるとは思っていなかった。今があるのは山田先生と早苗さんのおかげ」と語っています。50キロ以上増やしてなお幕内では小柄という事実が、この階級の体格差を物語ります。
父は甲山親方(元幕内・大碇)
父は伊勢ノ海部屋付きの甲山親方で、現役時代は幕内で相撲を取った元大碇です。
甲山親方も京都出身で、息子の記録について「三役はなかなか幕内でも届かない。地元を背負っていくではないけれど、京都を盛り上げてほしい」と話しています。息子の高校時代については「高校くらいから、相撲の面白さを知ってきた。主将をやったことで勝負強さを培った」とも振り返りました。
秋場所前の出稽古では何をしていたか|荒汐部屋で15番
9月3日に荒汐部屋へ出向き、幕内の若元春らと15番取って9勝6敗という内容でした。
8月31日の番付発表後、初めての出稽古です。7番連続を含む15番で、十両の大青山(191センチ・171キロ)には左を差して一気に寄り切り、幕内の若元春からは組んだあとのタイミングのよい小手投げで白星を挙げました。父の甲山親方が見守るなかでの稽古で、親方は「ケガもなく、順調に来ている」とうなずいています。
日付と場所
9月3日/荒汐部屋(東京都中央区)
番数と成績
15番で9勝6敗(7番連続を含む)
主な相手
幕内・若元春/十両・大青山
翌日の予定
9月4日は横綱審議委員会の稽古総見
稽古後、藤ノ川は「ちょうどいい番数。首の調子を見ながら体を仕上げていきたい」と話しました。初日までは、出稽古を重ねて仕上げていく方針です。
若元春との一番と「次やったらかち上げてやる」の一件
2026年夏場所千秋楽の対戦で藤ノ川が変化し、若元春が支度部屋で不満を口にした一件です。
9月5日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)で、両力士がその日のやり取りを明かしました。夏場所千秋楽の時点で藤ノ川は6勝8敗、若元春は5勝9敗と、ともに負け越しが決まっていました。頭から突っ込んでいった若元春に対し、藤ノ川は左方向へ変化し、はたき込みで決着がついています。
若元春はこの一番を「場所最後の取組ということもあって気合入って、しっかり当たっていこうと思ったら華麗に変化されました」と回顧。藤ノ川は「その後支度部屋で、千秋楽なんで支度とかがある時に『次やったらかち上げてやる』って(言われた)」と番組で述べました。若元春も内心は怒っていたと苦笑しながら認めています。
若元春が強く反応した背景には、その日の支度部屋の様子がありました。夏場所は弟の若隆景が25場所ぶり2度目の優勝を決めた場所で、若元春は「ちょうど弟(若隆景)の優勝で(支度部屋の)片側に、万歳のために一門が集まっていたんです」と説明しています。祝いの輪ができている支度部屋へ、変化で敗れて戻ることになった格好です。当時の心境については「この野郎~このクソ新弟子が」と思っていた、と番組で明かしました。
藤ノ川のほうは、変化を選んだ理由として「手つきのあれとかが全然違って……」と述べ、立ち合いで相手の様子がいつもと違って見えたことを挙げています。若元春は32歳、藤ノ川は21歳で、11歳の差があります。
ただし、これはあくまで冗談だったということで、番組では両者とも「仲良い」と断言していました。その若元春は秋場所を東前頭11枚目で迎えます。詳しくは若元春とはで整理しています。
よくある質問
藤ノ川の読み方と本名は?
四股名は「ふじのかわ せいごう」と読みます。本名は斎藤成剛で、2005年2月22日生まれの21歳です。
2026年秋場所の番付はどこですか?
西関脇です。8月31日発表の番付で新三役となりました。東関脇は熱海富士、小結は東が伯乃富士、西が大栄翔です。
なぜ小結ではなく関脇に上がったのですか?
番付は上位の空き具合で決まるため、前頭筆頭から関脇へ直接上がることがあります。藤ノ川は前頭筆頭で8勝7敗、うち横綱戦2勝という内容が評価されました。小結の2枠には伯乃富士と大栄翔が入っています。
京都出身の三役は本当に198年ぶりですか?
報道によれば、前例は1828年(文政11年)10月場所の緋縅で、そこから198年ぶりの誕生とされています。緋縅はのちに大関へ昇進した力士です。
秋場所はいつ始まりますか?
2026年秋場所は9月13日が初日で、東京・両国国技館で15日間行われます。番付発表は8月31日でした。
参考情報
- 時事通信「藤ノ川、新三役で西関脇 伯乃富士も新小結に―大相撲秋場所」(2026年8月31日)
- デイリースポーツ「藤ノ川 198年ぶり京都出身の新三役 西郷隆盛生まれた1828年・緋縅以来」(2026年9月1日)
- 共同通信「藤ノ川、初の出稽古で15番 21歳の新関脇、動き良く」(2026年9月3日)
- スポーツ報知「京都出身198年ぶり新三役 藤ノ川、父・甲山親方が見守る出稽古で15番」(2026年9月3日)
- スポーティングニュース日本版「幕内・若元春が藤ノ川を“脅迫”!? 夏場所千秋楽後にあったまさかのやり取りとは」(2026年9月6日)
- 日本経済新聞「大相撲秋場所新番付、藤ノ川が新関脇 伯乃富士は小結に昇進」(2026年8月31日)
- THE ANSWER「「次やったら…」先輩力士が後輩を“恫喝”「クソ新弟子が!」 新関脇が暴露した対戦秘話、裏では仲良し」(2026年9月6日)
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