旭富士英毅(あさひふじ ひでき)は、伊勢ヶ濱部屋に所属するモンゴル・ウランバートル出身の力士です。2002年5月17日生まれの24歳で、187.0cm・152.3kg。本名はバトツェツェゲ・オチルサイハンといい、第63代横綱・旭富士(現在の宮城野親方)のしこ名を継いでいます。2025年11月場所に初土俵を踏み、序ノ口から幕下まで4場所連続で各段優勝。2026年9月30日の番付編成会議で、初土俵から所要6場所という最速タイの記録で九州場所の新十両昇進が決まりました。この記事では、協会公式プロフィールの数字、しこ名を継いだいきさつ、初土俵まで4年半かかった理由、6場所の星取、九州場所への目標を出典付きで整理します。
この記事の数字について
この記事のプロフィール・番付・星取は、日本相撲協会公式プロフィールの令和8年(2026年)九月場所 千秋楽時点の値(2026年10月1日取得)と、9月30日〜10月1日の報道にもとづいています。部屋名は協会公式の表記「伊勢ヶ濱」を使い、報道の「伊勢ケ浜」と同じ部屋です。九州場所で東西どちらの何枚目に座るかは場所前の番付発表で決まるため、この記事では扱いません。
この記事でわかること
- 旭富士の読み方・本名・年齢・身長体重と、会見やアンケートで見えた素顔
- 9月30日の番付編成会議で決まった新十両昇進と、昇進会見での言葉
- 第63代横綱のしこ名を、初土俵のときから継いだいきさつ
- 旭丘高校から伊勢ヶ濱部屋へ入り、初土俵まで4年半待った理由
- 序ノ口デビューからの25連勝と、4場所連続の各段優勝の星取
- 肋骨を折ったまま臨んだ2026年9月場所と、最速タイの新十両昇進
- 九州場所で掲げた「新十両優勝」の目標と、同時に昇進した竜鳳
旭富士とは|読み方・本名・年齢・身長体重の基本プロフィール
旭富士は「あさひふじ ひでき」と読み、本名はバトツェツェゲ・オチルサイハン、24歳の伊勢ヶ濱部屋の力士です。
2026年9月場所の地位は西幕下筆頭で、11月の九州場所から十両に上がります。日本相撲協会の公式プロフィールに載っている基本情報は次のとおりです。和暦の日付は西暦に直しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| しこ名 | 旭富士 英毅(あさひふじ ひでき) |
| 本名 | バトツェツェゲ・オチルサイハン |
| しこ名の履歴 | 旭富士(改名なし) |
| 生年月日 | 2002年(平成14年)5月17日(24歳) |
| 出身地 | モンゴル・ウランバートル |
| 所属部屋 | 伊勢ヶ濱部屋 |
| 身長・体重 | 187.0cm・152.3kg |
| 得意技 | 両四つ・上手投げ |
| 初土俵 | 2025年11月場所 |
| 最高位 | 幕下筆頭(2026年11月場所から十両) |
| 通算成績 | 33勝2敗(6場所) |
| 各段優勝 | 序ノ口・序二段・三段目・幕下 各1回 |
表のとおり、関取になる前の6場所で負けは2つだけです。身長と体重は報道では「187センチ、152キロ」と丸めて書かれています。
伊勢ヶ濱部屋|師匠は元横綱・照ノ富士、関取衆がそろう部屋
師匠は同じモンゴル出身の伊勢ヶ濱親方(元横綱・照ノ富士)で、部屋には関脇・熱海富士らがいます。
協会公式の部屋の力士一覧には、2026年9月場所の時点で関脇・熱海富士、小結・伯乃富士、十両の炎鵬らが並んでいます。師匠の照ノ富士について、旭富士は会見で「僕もそうなりたいなって、ずっと思っていました」と話しました(日刊スポーツ)。しこ名を譲った先代の師匠・宮城野親方(元横綱・旭富士)も、いまは伊勢ヶ濱部屋付きの親方として指導にあたっています(スポニチアネックス)。
素顔|叔母はレスリング五輪代表、目標とする力士は元横綱・旭富士
スポニチの紹介では、叔母は東京五輪のレスリング代表で、目標とする力士は元横綱・旭富士です。
同じ紹介によると、家族は母。叔母は2021年の東京五輪などに出たレスリングのブルマー・オチルバト選手です。ライバルは「自分」、好きな言葉は「イケメン」、嫌いな食べ物は「わさび」と答えています(スポニチアネックス)。昇進会見では一度も笑わず、記念撮影でもガッツポーズや色紙の記入を断ったと報じられました(中日スポーツ)。
旭富士の新十両昇進|2026年9月30日の番付編成会議で決定
旭富士の新十両昇進は、2026年9月30日に両国国技館で開かれた九州場所の番付編成会議で決まりました。
日本相撲協会はこの日、11月の九州場所(11月8日初日・福岡国際センター)の番付編成会議を開き、西幕下筆頭で6勝1敗だった旭富士と、東幕下四枚目の竜鳳の2人を新十両に決めました(日刊スポーツ、サンケイスポーツ)。十両から上は「関取」と呼ばれ、旭富士は初土俵から1年足らずで関取の座をつかんだことになります。
昇進会見は東京・墨田区の伊勢ヶ濱部屋|笑顔を見せず「うれしいです」
会見は同じ日に墨田区の伊勢ヶ濱部屋で、師匠の伊勢ヶ濱親方と並んで開かれ、旭富士は最後まで笑顔を見せませんでした。
感想を聞かれると「うれしいです」と短く答え、最速タイの記録には「特には何も感じてないです」と話しています(日刊スポーツ)。昇進を支えたものには「親方の指導と、周りの関係者の応援があって、相撲を取ることができた」と感謝を述べました。九州場所の目標は「優勝です」、その先は「横綱になること」です。師匠と握手をする写真の撮影でも真顔のままで、色紙の記入やガッツポーズは断ったと報じられています(中日スポーツ)。
所要6場所は最速タイ|並んだ4人の名前は報道で食い違う
所要6場所は、年6場所制の1958年以降に初土俵を踏んだ力士で最速タイです(付け出しを除く)。
並んだ力士について、スポニチとサンケイスポーツは「高鉄山、土佐豊、常幸龍、炎鵬」、日刊スポーツは「板井、土佐豊、常幸龍、炎鵬」と書いており、1人目の名前が合っていません。この記事では、どちらかに寄せずに両方を載せています。このうち炎鵬は同じ伊勢ヶ濱部屋の兄弟子です。スポニチは、最速で新十両に上がった過去4人について「最高位に届いていない」とも書いています。
同時に新十両となった竜鳳|19歳の元中学横綱
同じ日に新十両昇進が決まったのは、音羽山部屋の竜鳳(19歳)です。元中学横綱で、所要8場所での昇進でした。
竜鳳は175cm・160kgで、左四つからの寄りが得意です。音羽山親方(元横綱・鶴竜)が2023年12月に部屋を興してから初めての関取になりました。会見では「10代で上がるのは目標の一つだったので良かった」と話しています(スポニチアネックス)。
しこ名「旭富士」の由来|第63代横綱から初土俵で受け継いだ名前
しこ名は、先代の師匠である第63代横綱・旭富士(現在の宮城野親方)から初土俵のときに継いだものです。
協会公式のしこ名履歴は「旭富士」だけで、改名はしていません。初土俵から元横綱の名を名乗るのは極めて異例で、サンケイスポーツは、似た例として米ハワイ州出身の元大関・小錦を挙げています(サンケイスポーツ)。横綱という地位の重みは横綱とはの記事にまとめています。
先代は所要7場所で新十両、2代目は6場所で上回った
先代の旭富士は新十両まで所要7場所で、2代目は1場所早い6場所で関取になりました。
サンケイスポーツは、これを「〝先代超え〟のスピード出世」と書いています。一方で先代は厳しく、秋場所の千秋楽のあと、旭富士に「相撲が駄目だ」と声をかけました(スポニチアネックス)。宮城野親方は「しこ名をあげているわけだから。上まであがってほしい」とも話しています(東スポWEB)。
初土俵まで4年半|旭丘高校から伊勢ヶ濱部屋へ入った経緯
高校卒業後に伊勢ヶ濱部屋へ入りましたが、外国出身力士の枠の関係で、初土俵まで約4年半待ちました。
15歳で来日し、神奈川・旭丘高校で相撲を始める
2018年春に15歳で来日し、神奈川県の旭丘高校へ相撲留学しました。在学中に目立った実績はありません。
日刊スポーツのプロフィールでは、相撲を始めたのは旭丘高校に入ってからです(日刊スポーツ)。中日スポーツも、高校時代は目立った成績を残せなかったと書いています。高校の実績ではなく、入門後の稽古で力をつけた力士です。
外国出身力士は「1部屋1人」|照ノ富士の引退まで土俵に上がれなかった
外国出身力士は原則1部屋1人のため、照ノ富士が現役の間は初土俵を踏めませんでした。
2021年春に伊勢ヶ濱部屋に入り、2025年11月場所で初土俵を踏むまでの約4年半を、部屋での稽古に費やしました(スポニチアネックス、サンケイスポーツ)。この間に関取衆と互角に稽古するまでになったと報じられています。部屋付きの桐山親方(元関脇・宝富士)は「入ってきた時は熱海富士の方が全然強かった。途中で勝ちだして、2、3年たったころには(部屋の関取衆が)みんな勝てなくなった」と振り返りました(東スポWEB)。
師匠の伊勢ヶ濱親方は、秋場所を勝ち抜けた理由に、長く積んだこの稽古の「貯金」を挙げています(日刊スポーツ)。
所要6場所の成績|序ノ口から4場所連続で各段優勝
本場所の5場所で33勝2敗。序ノ口・序二段・三段目・幕下と4場所続けて各段で優勝しています。
協会公式プロフィールの星取表をもとに、場所ごとの地位と成績を並べると次のとおりです。初土俵の2025年11月場所は前相撲で、星取表には載っていません。
| 場所 | 地位 | 成績 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2025年11月場所 | 前相撲 | - | 初土俵 |
| 2026年1月場所 | 東序ノ口十九枚目 | 7勝0敗 | 序ノ口優勝 |
| 2026年3月場所 | 西序二段八枚目 | 7勝0敗 | 序二段優勝 |
| 2026年5月場所 | 東三段目六枚目 | 7勝0敗 | 三段目優勝 |
| 2026年7月場所 | 東幕下十一枚目 | 6勝1敗 | 幕下優勝(9日目に生田目に敗れ連勝25で止まる) |
| 2026年9月場所 | 西幕下筆頭 | 6勝1敗 | 2日目に栃大海に敗れる・新十両昇進を決める |
| 2026年11月場所 | 十両(枚数は番付発表で決まる) | - | 新十両 |
三段目までは3場所とも7戦全勝で、負けたのは幕下に上がってからの2番だけです。
序ノ口デビューから25連勝|名古屋場所9日目に生田目に敗れる
序ノ口デビューからの連勝は25で、スポニチによると歴代3位の記録です。止めたのは生田目でした。
1月・3月・5月の21連勝に、7月場所の最初の4連勝を足して25連勝です。7月場所9日目に生田目に敗れて途切れましたが、残りを勝って幕下優勝しています。桐山親方は、連勝が止まったあと本人が「気持ちが楽になった」と話していたと明かし、「今はのびのびとやれている」と見ています(東スポWEB)。
2026年9月場所|肋骨を折ったまま西幕下筆頭で6勝1敗
9月場所は場所前に肋骨を折っていましたが、西幕下筆頭で6勝1敗とし、十両昇進を決めました。
協会公式の星取表による7番の対戦相手と勝敗は次のとおりです。
| 日 | 対戦相手 | 勝敗 |
|---|---|---|
| 初日 | 日向丸 | ○ |
| 2日目 | 栃大海 | ● |
| 5日目 | 西ノ龍 | ○ |
| 7日目 | 大喜翔 | ○ |
| 9日目 | 碇潟 | ○ |
| 11日目 | 明生 | ○ |
| 14日目 | 豪刃雄 | ○ |
2日目に黒星を喫したあと、5連勝で場所を終えています。
肋骨の骨折は師匠が会見で明かした
骨折は秋場所前の巡業中のことで、師匠の伊勢ヶ濱親方が9月30日の昇進会見で明かしました。
師匠は「場所前に肋骨を折っていて。巡業中に稽古ができない中で場所に臨み、よく勝ち抜いたと思う」と話しています(中日スポーツ)。スポニチによると、申し合いにも参加できない状態でした。
本人の評価は「内容は全然ダメ」|課題は前に出る相撲
本人は6勝1敗の内容を「全然ダメ」と言い、前に出る相撲ができていないことを課題に挙げました。
最速タイの記録にも「特には何も感じてないです」と答えています(日刊スポーツ)。師匠も「今までの力ずくの相撲じゃ通用しない」と話しました(中日スポーツ)。宮城野親方は「幕下以下だと大事にいきすぎて、腰を引いた相撲になってしまっている」とし、十両では「自分の力を出し切る相撲に切り替えること」を求めています(東スポWEB)。
旭富士の相撲の特徴|白星の39%が寄り切り
協会公式の集計では、白星の決まり手は寄り切り39%、押し出し19%、上手投げ11%の順です。
この割合は、前相撲を含む直近6場所の38番・36勝から協会が出したものです。寄り切りと押し出しで6割近くを占め、得意技の上手投げが続きます。
白星の決まり手の割合(直近6場所・36勝)
出典は日本相撲協会公式プロフィールの「決まり手の傾向」です。
得意は両四つと上手投げ|左右どちらの四つでも取れる
協会公式の得意技は両四つ・上手投げで、左右どちらの四つに組んでも力を出せるのが持ち味です。
サンケイスポーツは「左右どちらの四つでも取れ、力強い寄り、強烈な投げもある」と書いています。宮城野親方は「番付が上がるほど本領を発揮するだろう」と見立てました(サンケイスポーツ)。桐山親方も「普通にやれば、三役にはなる」と話しています(東スポWEB)。
九州場所の目標は新十両優勝|その先に掲げるのは横綱
11月の九州場所の目標は優勝で、会見では「来場所で上がるから」と十両を1場所で通る考えを示しました。
九州場所は11月8日初日、福岡国際センターで開かれます。旭富士は「自分の良い相撲を取れれば、優勝できる」と話し(中日スポーツ)、その先の目標には「横綱になること」を掲げました。九州場所では青色の締め込みを着け、師匠の照ノ富士と同じ新十両優勝を目指します(スポニチアネックス)。
師匠の教え「日本人以上に相撲を理解して」
師匠は、外国出身の力士として自身が心がけてきた「日本人以上に相撲を理解する」姿勢を旭富士にも求めました。
伊勢ヶ濱親方は「日本人以上に相撲のことを理解して、日本人以上に勉強して」と話し、「皆さんに愛されるような力士になってほしい」と願いを伝えています。旭富士はこれを受けて「これからの行動と言葉に気をつけて、上を目指してやっていかないといけない」と応じました(日刊スポーツ)。土俵の強さだけでなく、しこ名にふさわしい振る舞いまでを求められての関取昇進です。
旭富士についてよくある質問
Q. 先代の旭富士と、いまの旭富士は親戚ですか?
A. 報道で親戚関係は伝えられていません。先代の旭富士は伊勢ヶ濱部屋の先代の師匠(第63代横綱、現在の宮城野親方)で、弟子としてしこ名を継いだ関係です。本人は目標とする力士に先代を挙げています。
Q. 旭富士の取組はいつテレビで見られますか?
A. 十両の取組は幕内の前に行われます。九州場所(11月8日初日)からは十両の土俵入りに加わり、毎日1番ずつ取ります。幕下のときのように2日に1番ではなくなり、15日間で15番を取ります。
Q. 十両に上がると何が変わりますか?
A. 十両から上の力士が「関取」と呼ばれ、本場所では化粧まわしを着けて十両土俵入りをし、締め込みも絹のものに替わります。旭富士は九州場所で青色の締め込みを着けると報じられています(スポニチアネックス)。
Q. 「所要6場所」はどう数えるのですか?
A. 初土俵を踏んだ場所から、十両昇進を決めた場所までを数えます。旭富士は2025年11月場所(前相撲)を1場所目とし、2026年1月・3月・5月・7月・9月場所で6場所です。前相撲の場所を含めるため、星取表に載っている場所の数(5場所)とは1つずれます。
まとめ|旭富士は24歳、横綱のしこ名を背に九州場所で関取デビュー
旭富士はモンゴル出身の24歳で、第63代横綱のしこ名を継ぎ、所要6場所の最速タイで新十両に上がりました。
旭丘高校から伊勢ヶ濱部屋に入り、外国出身力士の枠が空くまで4年半を稽古に費やしました。2025年11月場所の初土俵から序ノ口デビュー25連勝、4場所連続の各段優勝と勝ち続け、肋骨を折って臨んだ9月場所でも6勝1敗としています。本人は内容に満足しておらず、九州場所では新十両優勝、その先には横綱を目標に掲げました。先代から受け継いだ名に、新しい歴史を重ねていけるか。九州場所の土俵が最初の答えになります。
九州場所で旭富士が十両の何枚目に座るかは、場所前に発表される最新の番付表で確かめられます。発表までの見立ては九州場所の番付予想に、場所中の勝敗は取組結果速報にまとめていきます。同じく新十両から勝ち上がった力士の例として、十両優勝を果たした北の若や2026年9月場所の新十両・時不動の記事もあわせてどうぞ。
参考にした情報源
- 日本相撲協会 公式サイト「旭富士 英毅 – 力士プロフィール」(令和8年九月場所 千秋楽時点・2026年10月1日取得)
- 日刊スポーツ「旭富士、最速タイ6場所での十両昇進 間近で見た師匠の姿に『僕もそうなりたいなって』」(2026年10月1日)
- スポニチアネックス「旭富士が史上最速タイ所要6場所で新十両昇進 秋場所前に肋骨骨折も怪物級強さ発揮『目標は横綱』」(2026年10月1日)
- サンケイスポーツ「旭富士が所要6場所で新十両昇進 〝先代超え〟のスピード出世『目標は横綱になること』」(2026年10月1日)
- 東スポWEB「旭富士はどれだけ強いのか 桐山親方証言」(2026年10月1日)
- 中日スポーツ「旭富士、新十両昇進にも笑顔ゼロ『来場所で上がるから』」(2026年9月30日)
- スポニチアネックス「19歳・竜鳳『10代で上がるのは目標の一つだった』」(2026年10月1日)

