熱海富士朔太郎(あたみふじ さくたろう)は、伊勢ヶ濱部屋に所属する静岡県熱海市出身の関脇です。2002年9月3日生まれの24歳で、185.0cm・198.0kg。幕内最高優勝はまだありませんが、優勝者と同じ星に並びながら決定戦で敗れた場所が3度あり、2026年九月場所は3場所続けての関脇として大関取りに挑んでいます。この記事では、協会公式プロフィールの数字、12歳で相撲を始めてから関脇に上がるまでの土俵歴、大関昇進の目安と現在地、上位陣との相性を出典付きで整理します。
この記事の数字について
この記事の成績・番付は、日本相撲協会公式プロフィールの令和8年(2026年)九月場所 九日目時点、つまり八日目を終えた時点の値です。九月場所は開催中のため、日々の取組結果はこの記事では扱いません。当日の勝敗の調べ方は「九月場所の現在地」の節でまとめています。
この記事でわかること
- 熱海富士の読み方・本名・年齢・身長体重と、協会の力士アンケートで答えた素顔
- 12歳で相撲を始め、初土俵から5年半で関脇に上がるまでの土俵歴
- 協会公式の生涯戦歴・幕内戦歴と、敢闘賞4回・金星2個の内訳
- 優勝者と同じ星に並びながら決定戦とともえ戦で逃した3度の場所
- 大関昇進の目安とされる3場所33勝と、2026年九月場所の現在地
- 得意技「右四つ・寄り」と、白星の55%を占める押し出しの読み方
熱海富士とは|読み方・本名・年齢・身長体重の基本プロフィール
熱海富士は「あたみふじ さくたろう」と読み、本名は武井朔太郎、24歳の伊勢ヶ濱部屋の東関脇です。
しこ名は熱海富士朔太郎と書きます。日本相撲協会の公式プロフィールによると、しこ名の履歴は「熱海富士」の1つだけで、入門から一度も改名していません。
しこ名の由来について、協会公式プロフィールに説明はありません。ただ、協会が「同じ部屋の主な力士」として挙げる8人のうち7人のしこ名に「富士」が入っています。
協会の公式プロフィールに載っている基本情報は次のとおりです。和暦で書かれている日付は西暦に直しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| しこ名 | 熱海富士 朔太郎(あたみふじ さくたろう) |
| 本名 | 武井 朔太郎(たけい さくたろう) |
| しこ名履歴 | 熱海富士(改名なし) |
| 生年月日 | 2002年(平成14年)9月3日(24歳) |
| 出身地 | 静岡県熱海市 |
| 身長・体重 | 185.0cm・198.0kg |
| 所属部屋 | 伊勢ヶ濱部屋 |
| 得意技 | 右四つ・寄り |
| 初土俵 | 2020年(令和2年)11月場所 |
| 新十両 | 2022年(令和4年)3月場所 |
| 新入幕 | 2022年(令和4年)11月場所 |
| 新三役 | 2026年(令和8年)3月場所 |
| 最高位 | 関脇 |
| 2026年9月場所の番付 | 東関脇 |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール(令和8年九月場所 九日目時点、2026年9月21日取得)
体重の198.0kgは入門からずっと同じではなく、十両に上がった2022年2月の時点では164.5kgでした(熱海市公式)。4年半で33.5kg増えた計算になります。
力士アンケートでわかる素顔|相撲を始めたのは12歳、座右の銘は「堅忍不抜」
協会の力士アンケートで、相撲を始めた年齢を「12歳」、座右の銘を「堅忍不抜」と答えています。
協会公式プロフィールの力士アンケート欄には、成績表には出てこない回答が並んでいます。
| 質問 | 熱海富士の回答 |
|---|---|
| 相撲を始めた年齢 | 12歳 |
| 好きな食べ物 | 寿司/お茶漬け/プリン |
| 趣味 | 音楽聴く |
| 好きな漫画・アニメ・映画 | アイシールド21 |
| 座右の銘 | 堅忍不抜 |
| 相撲界で自分がNo.1だと思うこと | 元気 |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール「力士アンケート」(2026年9月21日取得)
「堅忍不抜」は、つらいことに耐えて心を動かさないという意味の四字熟語です。
学生時代については、静岡新聞DIGITALが沼津市の飛龍高出身と伝えています。出身校は協会公式プロフィールには欄がありません。
伊勢ヶ濱部屋|同じ部屋には東小結の伯乃富士や東前頭八枚目の尊富士
所属は伊勢ヶ濱部屋で、協会公式が「同じ部屋の主な力士」に挙げるのは関取8人です。
協会公式プロフィールの「同じ部屋の主な力士」の欄には、次の8人が載っています。地位は令和8年九月場所のものです。
| しこ名 | 2026年9月場所の地位 |
|---|---|
| 伯乃富士 | 東小結 |
| 義ノ富士 | 西前頭二枚目 |
| 錦富士 | 西前頭七枚目 |
| 尊富士 | 東前頭八枚目 |
| 寿之富士 | 西前頭十六枚目 |
| 嵐富士 | 西十両五枚目 |
| 翠富士 | 東十両七枚目 |
| 炎鵬 | 東十両九枚目 |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール「同じ部屋の主な力士」(2026年9月21日取得)
熱海富士を含めると関取は9人で、幕内に6人、十両に3人が名を連ねています。ほかの部屋の顔ぶれと合わせて見るなら、現役力士一覧が早いです。
同じ静岡県出身の力士として協会が挙げているのは、焼津市出身の翠富士と時不動の2人です。翠富士は同じ伊勢ヶ濱部屋にいます。
土俵歴|12歳で相撲を始め、初土俵から5年半で関脇へ
2020年11月場所に初土俵を踏み、5年半後の2026年5月場所で関脇に上がりました。
初土俵から関脇までの歩みを年表にまとめます。
| 時期 | できごと | 成績・地位 |
|---|---|---|
| 2020年11月場所 | 初土俵(18歳) | 前相撲 |
| 2021年1月場所 | 序ノ口優勝 | 6勝1敗 |
| 2021年3月場所 | 序二段優勝 | 7戦全勝 |
| 2022年1月26日 | 番付編成会議で十両昇進が決まる | ― |
| 2022年3月場所 | 新十両(熱海市出身で初の関取) | ― |
| 2022年11月場所 | 新入幕 | ― |
| 2023年7月場所 | 十両優勝 | 11勝4敗 |
| 2026年3月場所 | 新三役(新小結) | 9勝6敗 |
| 2026年5月場所 | 新関脇 | 9勝6敗 |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール、熱海市公式「祝 十両昇進」、熱海市公式「祝 三役昇進」
2020年11月場所 初土俵|序ノ口・序二段を連続で優勝
18歳で初土俵を踏み、翌2021年の1月場所で序ノ口、3月場所で序二段を続けて優勝しました。
序ノ口の優勝は6勝1敗、序二段の優勝は7戦全勝です。番付の下のほうは15日間で7番の相撲を取り、勝ち星が並べば優勝決定戦になります。この2場所を勝ち抜いたことで、入門から半年で三段目に上がりました。
2022年3月場所 新十両、11月場所 新入幕|熱海市出身で初の関取
2022年3月場所で新十両となり、熱海市出身の力士としては初めての関取になりました。
昇進が決まったのは2022年1月26日の番付編成会議です。熱海市はこの日のことを公式サイトで伝え、市役所への報告の様子も紹介しています。
同じ年の11月場所で新入幕を果たし、初土俵から2年で幕内に上がりました。
2026年3月場所 新三役|熱海市から初、静岡県からは96年ぶり
2026年3月場所で新小結となり、熱海市からは初、静岡県からは96年ぶりの三役です。
熱海市は公式サイトで、次のように書いています。
熱海市公式サイトの原文
「本市出身の三役(関脇・小結・大関)は初めてであり、静岡県からは96年ぶりの戦後初となる大快挙です」(令和8年2月24日更新)
静岡県出身の三役には、1930年に関脇を務めた天竜がいます。天竜は戦前の力士なので、2026年から数えて96年前、そして戦後では初、という書き方になっています。斉藤栄・熱海市長も「熱海市から三役が誕生するのは初めてのことであり、また、静岡県出身力士としても戦後初、天竜関以来96年ぶりであります」とコメントを出しました(熱海市公式)。
続く5月場所で関脇に上がり、以後は関脇の地位を保っています。
通算成績と直近6場所|幕内160勝、敢闘賞4回と金星2個
協会公式の生涯戦歴は268勝190敗4休(36場所)、幕内戦歴は160勝133敗(20場所)です。
協会公式プロフィールの戦歴欄は、次のようになっています。
| 区分 | 成績 | 場所数 |
|---|---|---|
| 生涯戦歴 | 268勝190敗4休 | 36場所 |
| 幕内戦歴 | 160勝133敗 | 20場所 |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール(※令和八年九月場所:九日目時点)
通算の「4休」は、2023年1月場所の休場ぶんです。東十両三枚目だったこの場所は3勝8敗4休で、11日目の不戦敗のあと12日目から土俵に上がっていません。休場すると番付がどう動くかは、今場所の休場力士一覧と地位別のルールでまとめています。
受賞歴は次のとおりです。幕内最高優勝はまだありません。
| 項目 | 回数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 幕内最高優勝 | 0回 | ― |
| 殊勲賞 | 0回 | ― |
| 敢闘賞 | 4回 | 2023年9月/2023年11月/2026年1月/2026年7月 |
| 技能賞 | 0回 | ― |
| 金星 | 2個 | 2026年1月場所(内訳は後述) |
| 十両優勝 | 1回 | 2023年7月場所・11勝4敗 |
| 序二段優勝 | 1回 | 2021年3月場所・7勝0敗 |
| 序ノ口優勝 | 1回 | 2021年1月場所・6勝1敗 |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール(令和8年九月場所 九日目時点)
十両優勝と幕内最高優勝は別のものです
成績データベースでは、2023年7月場所に「優勝」の印が付いています。これは西十両筆頭だった場所の十両優勝で、幕内最高優勝ではありません。協会公式の受賞欄でも、幕内最高優勝は0回、十両優勝は1回と分けて書かれています。
直近6場所の成績|2026年は1月と7月に12勝3敗
2025年11月場所から2026年7月場所まで、5場所続けて勝ち越しを決めています。
協会公式の星取表から、直近6場所を並べます。
| 場所 | 地位 | 成績 | 賞 |
|---|---|---|---|
| 2026年9月場所 | 東関脇 | 6勝2敗(八日目を終えて) | ― |
| 2026年7月場所 | 東関脇 | 12勝3敗 | 敢闘賞 |
| 2026年5月場所 | 東関脇 | 9勝6敗 | ―(新関脇) |
| 2026年3月場所 | 西小結 | 9勝6敗 | ―(新三役) |
| 2026年1月場所 | 西前頭四枚目 | 12勝3敗 | 敢闘賞 |
| 2025年11月場所 | 東前頭六枚目 | 8勝7敗 | ― |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール 星取表(令和8年九月場所 九日目時点)
2026年の4場所は、12勝・9勝・9勝・12勝と上下しながらも負け越しがありません。前頭四枚目から小結、関脇へと番付を上げながら、勝ち越しを続けてきた形です。
金星2個|2026年1月場所に豊昇龍と大の里から
金星2個はどちらも2026年1月場所で、西前頭四枚目のときに横綱2人から挙げたものです。
協会公式プロフィールの受賞欄には「金星2個」とだけ書かれていて、相手の名前は載っていません。そこで、協会公式の星取表と同じ場所の番付を突き合わせました。
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール 星取表、および協会「過去の成績・番付」検索(令和8年一月場所・番付)を突き合わせ
前頭の地位で横綱から白星を挙げた取組はこの2番だけで、公式の「金星2個」と数が合います。金星は前頭が横綱に勝ったときだけ付くもので、小結や関脇で横綱に勝っても金星にはなりません。
優勝まであと一歩を3度|決定戦とともえ戦で逃した初優勝
優勝者と同じ星に並びながら、決定戦で敗れて初優勝を逃した場所が3度あります。
2023年9月、2026年1月、2026年7月の3場所です。いずれも本割を終えた時点で優勝争いの先頭に並び、優勝決定戦で敗れました。
| 場所 | 地位 | 成績 | 決定戦の相手 | 決着 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年9月場所 | 東前頭十五枚目 | 11勝4敗 | 貴景勝(大関) | はたき込みで敗れる |
| 2026年1月場所 | 西前頭四枚目 | 12勝3敗 | 安青錦(大関) | 首投げで敗れる |
| 2026年7月場所 | 東関脇 | 12勝3敗 | 安青錦・霧島とのともえ戦 | 2戦目で敗れる |
※出典:日本経済新聞、中日スポーツ、時事通信、デイリースポーツ
2023年9月場所 21歳・前頭十五枚目で11勝4敗|貴景勝との決定戦
初土俵から18場所目、21歳のときに東前頭十五枚目で11勝4敗を挙げ、優勝争いに加わりました。
日本経済新聞は、2023年9月24日の千秋楽で熱海富士が大関・貴景勝との優勝決定戦にはたき込みで敗れたと伝えています。この場所で初めての敢闘賞を受け、殊勲賞と技能賞は該当者なしでした。
中日スポーツによると、決定戦で貴景勝は立ち合いで変化しました。敗れた直後の熱海富士の涙が、この場所のもう1つの話題になっています。
2026年1月場所 前頭四枚目で12勝3敗|安青錦との決定戦
西前頭四枚目で12勝3敗を挙げ、大関・安青錦との優勝決定戦に首投げで敗れました。
時事通信は2026年1月25日、千秋楽の優勝決定戦で熱海富士が安青錦に敗れたと伝えています。敢闘賞は3度目でした。この場所は金星2個も挙げており、四枚目という地位から見れば内容の詰まった15日間です。
2026年7月場所 関脇で12勝3敗|霧島を交えたともえ戦
東関脇で12勝3敗を挙げ、安青錦・霧島との優勝決定ともえ戦の2戦目に敗れました。
デイリースポーツと時事通信は2026年7月26日、名古屋場所の千秋楽を次のように伝えています。熱海富士は本割で安青錦を押し出して12勝目を挙げ、3人が12勝3敗で並んでともえ戦になりました。ともえ戦は2番続けて勝った力士が優勝する方式で、熱海富士は2戦目に敗れています。
熱海市総合福祉センターではパブリックビューイングが開かれ、約80人が集まりました。斉藤栄・熱海市長は「とても立派だった」と話しています(時事通信)。
熱海富士は大関になれる?|昇進の目安と2026年九月場所の現在地
大関昇進の目安は三役で3場所33勝とされ、九月場所は12勝が必要と報じられています。
2026年九月場所は、3場所続けて関脇を務めての大関取りです。判断の材料になる数字と、その出どころを分けて整理します。
大関昇進の目安は三役で3場所33勝|九月場所は12勝が必要
静岡朝日テレビは、目安の3場所33勝に対して九月場所は12勝が必要だと伝えています。
静岡朝日テレビは2026年8月31日の秋場所番付発表の記事で、熱海富士が3場所連続の関脇で大関取りに挑むこと、目安は三役で3場所33勝であること、5月場所9勝・7月場所12勝の合計21勝から逆算して九月場所は12勝が必要であることを伝えました(静岡朝日テレビ 2026年8月31日)。
33勝は内規ではなく慣例の目安です
日本相撲協会は「三役で3場所33勝」を内規として公表していません。静岡朝日テレビが慣例の目安として伝えているもので、勝ち星が足りていても内容によって見送られたり、33勝に届かなくても昇進したりする例があります。番付がどう決まるかのしくみは番付予想のやり方でまとめています。
九月場所の現在地|八日目を終えて6勝2敗
2026年九月場所は、八日目を終えて6勝2敗というのが協会公式に載っている数字です。
九月場所は2026年9月13日初日、両国国技館で15日間の日程です(共同通信)。この記事は場所の途中で公開しているため、日々の勝敗はここでは扱いません。
当日の結果と星取表は取組結果と星取表のページで、その日の取組の中身は秋場所の日々の記事で追えます。
昇進すれば静岡県出身で史上初の大関
大関に昇進すれば、静岡県出身の力士としては史上初の大関ということになります。
静岡朝日テレビは、昇進すれば静岡県出身力士として史上初の大関になると伝えています。三役が戦後初・96年ぶりだったことを考えると、県の相撲史では初めての地位です。
土俵の外では、親方衆が熱海富士について公の場で話しています。原文のまま引用します。
八角理事長(秋場所の熱海富士の相撲を評して)
「気持ちを切らさず取っている。前に出ると強いよ」「横綱相撲でしょ」(中日スポーツ 2026年9月18日)
浅香山審判部長(元大関魁皇・名古屋場所千秋楽)
「十分そういう場所になるだろう。今場所のような相撲を取れば、何も言われないくらいのいい結果を残せる」(共同通信 2026年7月26日)
二所ノ関親方(元横綱稀勢の里・夏巡業の出稽古後)
「いい稽古をしていた。熱海富士は強くなっている。腰が重くてなかなか幕内にはいないタイプ」「間違いなく大関に上がりそうな感じ」(デイリースポーツ 2026年8月29日)
大相撲百科では、昇進するかどうかの見通しをこの記事で断定しません。大関昇進は番付編成会議と理事会で決まるもので、勝ち星だけで自動的に決まる仕組みではないためです。
相撲の特徴|公式の得意技は右四つ・寄り、白星の55%は押し出し
協会公式の得意技欄は「右四つ・寄り」ですが、決まり手の集計では押し出しが55%です。
協会が過去6場所の取組から算出した決まり手の傾向は、次のとおりです。
| 決まり手 | 白星に占める割合 |
|---|---|
| 押し出し | 55% |
| 寄り切り | 23% |
| 突き落とし | 4% |
| その他 | 18% |
※出典:日本相撲協会公式 力士プロフィール「決まり手の傾向」(過去6場所・2026年9月21日取得)
押し出しと寄り切りで白星の78%を占めます。まわしを取っても取らなくても、前に出て土俵の外へ運ぶ形が熱海富士の相撲だということが、この2つの割合から読み取れます。
198kgの体と、前に出る相撲
185.0cm・198.0kgという体格は、押し出しと寄り切りが中心の取り口と結びついています。
二所ノ関親方は夏巡業の出稽古のあと、熱海富士について「腰が重くてなかなか幕内にはいないタイプ」と話しました(デイリースポーツ)。八角理事長も秋場所の相撲を「前に出ると強いよ」と評しています(中日スポーツ)。どちらも、土俵で踏ん張る重さと前進する力を指した言葉です。
十両に上がった2022年2月の164.5kgから、現在の198.0kgまで33.5kg増やしてきました。
得意技欄と決まり手のズレをどう読むか
得意技欄は型を示す項目、決まり手は実際に決まった技の集計で、数え方が違います。
協会公式プロフィールの得意技欄は「右四つ・寄り」です。一方で決まり手の集計では、まわしを取らずに決まる押し出しが55%を占めます。
この2つは矛盾していません。得意技欄はその力士の型を1行で示す項目で、決まり手はある期間の取組で実際に何の技で勝ったかを数えたものです。大相撲百科では、熱海富士の相撲を「右四つに組めれば寄り切り、組ませてもらえなければ押し出し」と読んでいます。どちらも前に出て決める技である点は共通しています。
なお、協会公式の決まり手の欄には母数の表示もありますが、内訳の合計と勝ち星が一致しないため、この記事では割合だけを扱っています。
上位陣との対戦成績|安青錦・霧島に苦戦、大の里からは金星
静岡新聞DIGITALによると、安青錦・霧島との直近6場所の対戦は2勝4敗です。
日本相撲協会の公式サイトには、力士どうしの通算対戦成績を調べる機能がありません。公表されているのは番付・取組結果・星取表・優勝三賞の4種類です。そのため、ここでは報道の分析を主語付きで紹介します。
| 相手 | 熱海富士から見た相性 | 出典・補足 |
|---|---|---|
| 安青錦・霧島 | 直近6場所で2勝4敗 | 静岡新聞DIGITAL 2026年9月13日 |
| 大の里 | 五分以上 | 同上。2026年1月場所には金星 |
| 琴櫻 | 2勝1敗 | 同上 |
| 豊昇龍 | 2026年1月場所に金星 | 協会公式 星取表 |
※出典:静岡新聞DIGITAL 2026年9月13日、日本相撲協会公式 力士プロフィール 星取表。対戦成績は2026年9月場所前の分析です
静岡新聞DIGITALは同じ記事で、熱海富士の直近6場所の成績を「優勝決定戦を含め93番で56勝37敗」と伝えています(2026年9月13日時点の直近6場所。上の星取表は九月場所の途中経過を含む6場所なので、区切りが違います)。全体では勝ち越しながら、安青錦と霧島という2人には負け越している、という形です。
安青錦は2026年1月場所と7月場所の優勝決定戦の相手でもあります。
熱海富士についてよくある質問
読み方・本名・出身地・身長体重・大関昇進の条件・優勝・休場について、6つの質問に答えます。
Q. 熱海富士の読み方と本名は?
A. 「あたみふじ さくたろう」と読みます。本名は武井朔太郎(たけい さくたろう)です(日本相撲協会公式プロフィール)。しこ名は入門から変わっておらず、協会のしこ名履歴にも「熱海富士」の1つだけが載っています。過去の成績を調べるときも、別のしこ名で探す必要はありません。
Q. 熱海富士は何歳で、どこの出身ですか?
A. 2002年(平成14年)9月3日生まれで、2026年9月時点で24歳です。出身地は静岡県熱海市で、しこ名の「熱海」は出身地と同じ表記です。沼津市の飛龍高出身と静岡新聞DIGITALが伝えています。熱海市出身の力士が関取になったのも三役に上がったのも、熱海富士が初めてです(熱海市公式)。
Q. 熱海富士の身長と体重は?
A. 協会公式プロフィールでは185.0cm・198.0kgです。十両に上がった2022年2月の時点では164.5kgだったと熱海市が公表しており、4年半で33.5kg増えています。なお、成績データベースの相撲レファレンスは186cm・180kgと別の数字を載せていますが、この記事では協会公式の値を採っています。
Q. 熱海富士が大関になるには何勝必要ですか?
A. 静岡朝日テレビは2026年8月31日の記事で、九月場所は12勝が必要だと伝えています。三役で3場所33勝という慣例の目安に対して、5月場所9勝・7月場所12勝の合計21勝から逆算した数字です。ただしこの33勝は協会が公表している内規ではなく、勝ち星が足りていても内容によって見送られることがあります。
Q. 熱海富士は幕内で優勝したことがありますか?
A. ありません。協会公式の受賞欄では幕内最高優勝は0回です。優勝者と同じ星に並びながら決定戦で敗れた場所が2023年9月・2026年1月・2026年7月の3度あります。なお協会公式には十両優勝1回・序二段優勝1回・序ノ口優勝1回の記録があり、成績データベースの「優勝」の印はこれらを指すことがあります。
Q. 熱海富士は休場したことがありますか?
A. 2023年1月場所に休場しています。東十両三枚目だったこの場所は3勝8敗4休で、11日目の不戦敗のあと12日目から土俵に上がりませんでした。協会公式の生涯戦歴にある「4休」はこの場所ぶんだけで、2020年11月場所の初土俵から2026年九月場所まで、休場したのはこの1場所だけです。休場すると番付がどう動くかは今場所の休場力士一覧と地位別のルールで解説しています。
まとめ|熱海富士が大関に届くかは九月場所の残りで決まる
熱海富士は、12歳で相撲を始めて24歳で関脇まで上がり、初優勝を3度逃してきた力士です。
2020年11月場所に初土俵を踏み、序ノ口と序二段を連続で優勝して駆け上がりました。2022年に熱海市出身で初の関取となり、2026年3月場所では熱海市から初、静岡県からは96年ぶりの三役に上がっています。幕内では160勝133敗、敢闘賞4回と金星2個。ただし幕内最高優勝はまだなく、2023年9月・2026年1月・2026年7月の3度は、優勝者と同じ星に並びながら決定戦で敗れました。
2026年九月場所は3場所続けての関脇で、報道では12勝が大関昇進の目安とされています。八日目を終えて6勝2敗。結果は残りの土俵が決めます。場所中の番付と顔ぶれは最新の番付表から確認できます。

