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豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう ともかつ)完全ガイド|第74代横綱の強さ・技術・素顔

豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう ともかつ)完全ガイド|第74代横綱の強さ・技術・素顔

豊昇龍智勝とは、立浪部屋所属の第74代横綱で、1999年5月22日生まれ、モンゴル国ウランバートル市出身の力士です。叔父は第68代横綱・朝青龍明徳。右四つからの多彩な投げ技を武器とし、2023年7月場所と2025年1月場所で幕内優勝。2025年1月場所後に第74代横綱に昇進しました。2026年5月場所は東横綱として出場し、大の里・安青錦の両休場により一人横綱として場所を牽引しています。

豊昇龍がほかの力士と一線を画すのは、187cm・140kg前後という現代の横綱としては比較的軽量な体格にもかかわらず、上手投げ・掛け投げ・上手捻りといった投げ技の引き出しで格上の体格を持つ相手を次々に破ってきた点です。本記事では、豊昇龍の技術論・血縁と精神性・ライバル関係まで、公式サイトや一般記事では読めない深度で解説します。

目次

豊昇龍の基本プロフィール

しこ名豊昇龍 智勝(ほうしょうりゅう ともかつ)
本名スガラグチャー・ビャンバスレン
生年月日1999年5月22日(26歳)
出身地モンゴル国ウランバートル市
身長187cm(公式番付表記)
体重140〜150kg(場所・測定時期により変動)
所属部屋立浪部屋
師匠立浪親方(元小結・旭豊)
最高位第74代横綱(2026年5月場所:東横綱)
学歴日体大柏高校(千葉県柏市)
主な得意技右四つ・寄り・投げ(掛け投げ・上手投げ・上手捻り)
叔父第68代横綱・朝青龍明徳

生涯成績と主な受賞歴

2026年5月場所時点で、生涯通算394勝226敗20休(50場所)、幕内通算312勝178敗20休(35場所)。受賞歴は幕内優勝2回(2023年7月場所・2025年1月場所)、技能賞2回、敢闘賞1回。日本大相撲トーナメント優勝も2回(2024年・2026年)を誇ります。

直近3場所の成績

場所番付成績主な出来事
2026年5月場所東横綱進行中大の里・安青錦の休場で一人横綱に。「仕事が2倍になって、責任も2倍になった」と発言(スポーツ報知 2026/05/09)。初日は高安戦、2日目は藤ノ川戦
2026年1月場所西横綱休場左膝の半月板症状(スポーツ報知 2026年1月8日付)で初場所前から稽古を休む。新横綱の休場は1986年秋場所・双羽黒以来39年ぶり
2026年3月場所西横綱11勝4敗霧島が12勝3敗で優勝する中、千秋楽で大関・安青錦を掛け投げで破り、6度目の対戦で初勝利を収める

四股名「豊昇龍」の由来

「豊昇龍」という四股名には、三人の関係者の意志が込められています。

師匠・立浪親方の現役時代のしこ名「旭豊」から「豊」の字を取り、叔父・朝青龍から「龍」を取り、本人の「横綱まで昇りつめたい」という決意の「昇」を組み合わせた造語です。当初は「豊青龍」とする案もありましたが、師匠が「もっと良い字がある」と提案し、豊昇龍本人も「昇」の字を気に入ったことでこの四股名が誕生しました。名前の三文字それぞれに明確な意味がある力士はさほど多くなく、横綱への道筋が四股名に刻まれていたとも言えます。

豊昇龍の技術論:なぜ「投げの横綱」なのか

立ち合いの特徴と課題

豊昇龍の立ち合いは、上体をやや起こしぎみに当たり、右手で相手の左肩口を叩くか、左で張り差し(立ち合いで相手の顔を張りながら差し手を取る動き)を使って右四つの態勢を作るのが基本型です。踏み込みの深さよりも「手の先行」で間合いを作るアプローチで、相手より先にまわし(力士が腰に巻く締め込み)を引く位置を確保することを優先しています。

ただし横綱昇進後は張り差しの多用が批判を集めるようになりました。2026年3月場所では元大関・琴風がスポーツ報知に「立ち合いは体をぶつけてこそ後の流れができる」、武蔵川親方がデイリースポーツに「豊昇龍は左で張り差しにいったのが敗因」と指摘。立ち合いの正攻法への改善が最大のテーマになっています。

2026年5月場所前には変化の兆しも見られます。春巡業で同行した親方衆からの助言を受けた豊昇龍は、5月4日の錣山部屋への出稽古で踏み込んで頭から当たる攻撃相撲を意識的に試みました。本人は「当たって突き放してから、自分の体勢になるのがいい」と狙いを明かしており(47NEWS 2026/05/04)、正攻法への回帰が夏場所での最大の注目点です。

右四つから投げへの展開パターン

豊昇龍の勝ちパターンの核心は、右四つで左前みつ(まわしの前側の折り返し部分)を引いたときの展開にあります。相手の右腕を抱え込むように引き付け、腰を斜め45度に捻りながら体を入れ替え、そこから上手投げ・掛け投げ・上手捻りへとつなぎます。

187cm・140kgは現代の横綱として軽量の部類です。対戦する大の里(192cm・176kg)や安青錦(180cm・125kg)との体格差を「寄りで一方的に押し切る」ではなく「相手の体勢を崩してから投げる」という二段構えで補っているのが豊昇龍の本質です(編集部分析)。日本相撲協会公式サイトが示す過去6場所の決まり手傾向でも「その他(投げ・捻り系)」が53%と、寄り切り23%・押し出し13%を大幅に上回っており、上位横綱陣と比較しても際立った数値です。

名場面①:2025年11月場所千秋楽・対横綱大の里(上手捻り)

2025年11月場所の千秋楽、結びの一番。全勝優勝を狙う東横綱・大の里(192cm・176kg)に対し、豊昇龍は右四つから左前みつを深く引き、大の里が体重を乗せてくる瞬間に腰を大の里の左側へ捻り込みました。体重差28kgを動きで無力化した上手捻り。「横綱の意地」と多くのメディアが表現したこの一番で、豊昇龍は「相手の圧力を逆利用する投げの技術」を横綱の場でも証明しました。

名場面②:2026年3月場所千秋楽・対大関安青錦(掛け投げ)

2026年3月場所千秋楽。それまで5戦全敗と苦手にしていた大関・安青錦(180cm・125kg)との対戦。豊昇龍は右四つから右足を安青錦の左足に絡め、体を右に振り込む掛け投げで6度目の対戦にして初勝利。粘りと集中力の末の一番でした。

朝青龍との血縁:継承したもの、継承しなかったもの

朝青龍から何を学んだか

豊昇龍の父スガラグチャー氏は、第68代横綱・朝青龍の長兄にあたります。豊昇龍は5歳で柔道を始め、11歳からレスリングに転向。日体大柏高校(千葉県柏市)在学中の高校1年時に、授業の一環で両国国技館を訪れた際に相撲に興味を抱き、叔父の朝青龍に相談の上で転向を決意しました。

入門後も朝青龍はメールで直接アドバイスを送り続けました。「自分の力で強くなれ!引いてはダメ」「急に太ってはダメ!怪我をするから」といった言葉は、今に続く豊昇龍の取り口——体を引かずに前に出る姿勢と体重管理——に直結しています。

2021年1月場所、初日から5連敗した豊昇龍に朝青龍は「稽古場優しすぎる!甘えている!舐めている!」と激しい叱咤をSNSで公開。しかし豊昇龍は翌6日目から8連勝という巻き返しを見せました。この「叔父と甥」の関係性は、現代の相撲史でも類を見ない濃さを持っています。

第74代横綱昇進と朝青龍の言葉

2025年1月場所後、横綱昇進が内定した豊昇龍が優勝インタビューで「一番最初に(師匠の立浪)親方に、その後に叔父さん(元横綱・朝青龍)に言いたいです」と答えると、場内は大きな笑いに包まれました。ユーモアとともに叔父への感謝を真っ先に口にした一言は、二人の関係の深さを象徴しています。

継承しなかった部分:素行とキャラクター

朝青龍は現役時代に「ヒール横綱」として角界を席巻しましたが、豊昇龍の人物評は対照的です。師匠・立浪親方は複数の取材に「素直でいい子、暴力とは無縁」と繰り返しています。叔父から「酒を控えろ」と言われており、本人もトラブル回避を意識して実践中と伝えられます。負けず嫌いで稽古では兄弟子に負けると悔しがる一面と、愛称「ビャンバ」で呼ばれる穏やかな素顔——この二面性が多くのファンを引きつけています。

ライバル関係:現役最強との三つ巴

横綱・大の里との対戦構造

通算対戦成績は豊昇龍9勝2敗(2026年3月場所終了時点)。横綱昇進後は豊昇龍の4勝、横綱同士では3勝(不戦勝1含む)とリードしています。大の里(192cm・176kg)の圧力を豊昇龍が投げで捌く図式は、「技巧派横綱 vs 重量押し横綱」という古典的な対照型の現代版と言えます。2026年5月場所では大の里が左肩の負傷で初日から休場。豊昇龍は一人横綱として場所を迎えることになりました。

大関・霧島との同郷ライバル

霧島はモンゴル出身の同郷で、少年時代から切磋琢磨してきた間柄です。2026年3月場所では霧島が12勝3敗で優勝。豊昇龍は霧島の上手投げに敗れる場面もあり、「豊昇龍の張り差しを先読みした」と武蔵川親方が分析するなど、読み合いの深さが際立つライバルです。豊昇龍自身も「同じ地位だから負けたくない」と発言しており(日刊スポーツ 2024年7月)、最も意識し合う存在の一人です。

大関・安青錦との「年下の天敵」

安青錦(ウクライナ出身)は豊昇龍が最も苦手としてきた相手で、2026年3月場所千秋楽以前は通算1勝5敗(決定戦含む)。しかし千秋楽の掛け投げ初勝利で、この天敵関係に新たな章が開きました。2026年5月場所は安青錦が休場のため対戦はなく、次の対決が注目されます。

横綱昇進の道:33勝という「準ずる成績」

2025年1月場所後の横綱昇進は、その成績から「準ずる成績」論争を生みました。内規は「2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」。豊昇龍の直前3場所は8勝・13勝・12勝(優勝)の計33勝で、1949年夏場所以降の横綱昇進者の中では最も少ない勝ち星数でした。

当時は照ノ富士横綱の引退で春場所以降の横綱不在が懸念される状況があり、琴櫻が同場所で負け越したことも豊昇龍の昇進を後押しした要因として指摘されています(編集部調べ)。歴史を振り返れば、「柏鵬時代」の横綱・柏戸も3場所合計33勝で昇進した先例があります。

新横綱となった2025年3月場所では、右肘関節内遊離体・頸椎捻挫の診断書を提出して10日目から休場(日本経済新聞 2025年3月18日)。新横綱の休場は1986年・双羽黒以来39年ぶりという記録的な出来事となりました。横綱として怪我との戦いが最初の試練となった豊昇龍が、今後どのような横綱像を作り上げるかが注目されています。

豊昇龍の決まり手傾向データ

日本相撲協会公式サイトが開示する過去6場所(67取組47勝・不戦勝1含む)の決まり手傾向は以下のとおりです。

豊昇龍 決まり手傾向(過去6場所) 出典:日本相撲協会公式サイト・2026年5月場所時点 寄り切り 押し出し 寄り倒し その他 (投げ・捻り・掛け系) 23% 13% 11% 53% 「投げ・捻り系」が過半数を占める横綱は現役最高水準(編集部分析)

「その他」の53%が示すのは、定型的な「押し・寄り」ではなく、状況に応じた多彩な投げを選択していることを意味します。体格に頼らず「相手を崩してから仕留める」という設計が、データにも明確に現れています(編集部分析)。

※日本相撲協会公式サイト・2026年5月場所時点

よくある質問(FAQ)

Q1. 豊昇龍はなぜ朝青龍の甥なのですか?

豊昇龍の父スガラグチャー氏は、第68代横綱・朝青龍明徳の長兄にあたります。つまり豊昇龍は朝青龍の兄の次男で、血縁上の甥です。幼少期からモンゴルで叔父の影響を受け、相撲転向も朝青龍との相談で決断しました。入門先の立浪部屋も、朝青龍が師匠に推薦したといわれています。

Q2. 豊昇龍はいつ横綱に昇進しましたか?

2025年1月場所で12勝3敗で幕内優勝(優勝決定巴戦を制覇)し、翌1月29日の日本相撲協会臨時理事会で第74代横綱への昇進が承認されました。直前3場所は8勝・13勝・12勝の計33勝で、近年の横綱昇進者のなかでは最も少ない勝ち星数ですが、直前2場所で優勝・優勝同点の実績が評価されました。

Q3. 豊昇龍の得意技は何ですか?

公式プロフィール上の得意技は「右四つ・寄り・投げ」です。特に投げ技の多彩さが際立ち、上手投げ・掛け投げ・上手捻りを使い分けます。過去6場所の決まり手では「その他(投げ・捻り系)」が53%を占めており、上位陣で最も高い水準にあります。

Q4. 豊昇龍の身長・体重はどれくらいですか?

2026年1月場所の公式番付では身長187cm・体重140kgです(取材時は188cm・148〜150kgと表記されることも)。横綱としては軽量の部類ですが、スピードと投げの技術で体格差を補う取り口が特徴です。

Q5. 豊昇龍の四股名の由来は何ですか?

師匠・立浪親方の現役時代のしこ名「旭豊」の「豊」、叔父・朝青龍の「龍」、本人の「横綱まで昇りつめたい」という意思の「昇」を組み合わせた造語です。当初は「豊青龍」の案でしたが、師匠の提案で「青」を「昇」に変更した経緯があります。

Q6. 豊昇龍の2026年の成績はどうですか?

2026年1月場所は左膝の症状(半月板)で休場し、新横綱として昭和以降で39年ぶりの新横綱休場となりました。3月場所では11勝4敗で復帰し、霧島の優勝(12勝3敗)を追いながら場所2位で終えています。千秋楽では宿敵・安青錦を掛け投げで下し、6度目の対戦で初勝利を収めました。2026年5月場所(夏場所)は東横綱として出場。大の里・安青錦の両休場により一人横綱となり、初日は高安と対戦します(日本経済新聞 2026/05/08)。

Q7. 豊昇龍の立ち合いで批判されているのはなぜですか?

横綱昇進後、張り差し(立ち合いで相手の顔を張りながら差し手を取る動き)の多用に対し、武蔵川親方・玉ノ井親方・元大関琴風らが報道で苦言を呈しています。「横綱の立ち合いは体をぶつけてこそ」という正攻法を求める声が強く、本人の課題として議論が続いています(スポーツ報知・デイリースポーツ 2026年3月)。2026年5月場所前の出稽古では攻撃相撲への回帰を意識した動きも見られており、改善への取り組みが注目されています。

まとめ

豊昇龍は187cm・140kgという現代横綱としては軽量な体格ながら、投げ技の多彩さと状況判断の鋭さで頂点に立った技巧派横綱です。朝青龍から受け継いだ闘争心と、師匠・立浪親方のもとで磨いた技術を融合させ、独自の横綱像を模索しています。2026年5月場所は東横綱・一人横綱として出場。立ち合いの正攻法回帰という課題と向き合いながら、昇進8場所目での横綱初制覇を目指します。

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