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若隆景とは?荒汐部屋の技巧派関脇|おっつけと2度の優勝・復帰への現在地

若隆景とは?荒汐部屋の技巧派関脇|おっつけと2度の優勝・復帰への現在地

若隆景は、183cmの体で大型力士を止め、幕内最高優勝を2度果たしてきた荒汐部屋の力士です。2022年春場所では新関脇として初優勝し、2026年夏場所では25場所ぶりの賜杯を抱きました。その直後の2026年7月、左太もものけがで長期の休場に入っています。この記事では、若隆景のプロフィールと経歴、「おっつけ」と呼ばれる取り口、そしてけがと現在の状況を、日本相撲協会の記録と報道をもとに整理します。

🕒 最新状況(2026年8月25日更新)

若隆景は2026年7月1日に左太ももの急性コンパートメント症候群を発症し、名古屋場所(7月場所)を全休しました。7月24日に退院してリハビリを始めており、秋場所(9月場所)も休場する見通しと報じられています。九月場所の新番付は2026年8月31日に発表されます。復帰の時期は決まっていません。

📖 この記事でわかること

  • 若隆景の本名・出身・体格などの基本プロフィールと四股名の由来
  • 初土俵から2度の幕内最高優勝までの歩みと、右膝のけがからの再起
  • 「おっつけ」「はず押し」という取り口が何をしている技なのか
  • 2026年7月に負った左脚のけがと、現在わかっている範囲の状況
  • 休場が続くと番付がどうなるのか(公傷制度は今はありません)
目次

若隆景とは?おっつけを武器に幕内最高優勝2度を果たした荒汐部屋の力士

若隆景は、おっつけを武器に幕内最高優勝を2度果たした福島県福島市出身・荒汐部屋の力士です。

最高位は関脇で、三賞は技能賞7回・殊勲賞1回を受けています。幕内の通算成績は259勝164敗72休(33場所)です(2026年7月場所終了時点)。

日本相撲協会の公式プロフィールに基づく基本情報は次のとおりです。

項目内容
四股名若隆景 渥(わかたかかげ あつし)
本名大波 渥(おおなみ あつし)
生年月日1994年12月6日(31歳)
出身地福島県福島市
体格183.0cm・138.0kg
所属部屋荒汐部屋
得意技おっつけ・右四つ・左前廻し・寄り
初土俵2017年3月場所(三段目最下位格付出)
新入幕2019年11月場所
新小結2021年7月場所
新関脇2022年3月場所
最高位関脇
幕内最高優勝2回(2022年3月場所・2026年5月場所)

※出典:日本相撲協会公式プロフィール、dメニュースポーツ(いずれも2026年7月場所終了時点)

幕内力士の体格は180cm・160kg前後が目安とされます。若隆景は身長では平均的ですが、体重は20kg以上軽く、幕内では小柄な部類に入ります。番付や地位の呼び方が分かりにくいときは、番付とは?相撲の階級・仕組み・見方もあわせてご覧ください。ほかの力士は現役力士一覧から探せます。

四股名「若隆景」の読み方と由来

「若隆景」は「わかたかかげ」と読み、戦国武将・毛利元就の三男である小早川隆景にちなんだ四股名です。

若隆景には2人の兄がいて、3人とも荒汐部屋の力士でした。長兄が若隆元、次兄が若元春で、それぞれ毛利隆元、吉川元春から採られています。師匠が「三本の矢」の逸話にならい、三兄弟が互いに支え合って伸びるようにという願いを込めて名づけたと伝えられています。

なお、下の名の「渥」は本名そのままです。四股名としては珍しく、名字にあたる部分だけを変えた形になっています。

学法福島高校から東洋大学へ|アマチュア相撲で積んだ土台

若隆景は地元の学法福島高校から東洋大学に進み、学生相撲で実績を残してから角界入りしました。

大学卒業後の2017年3月場所に、三段目最下位格付出という資格で初土俵を踏んでいます。これはアマチュア相撲で一定以上の成績を残した力士だけに認められる制度で、序ノ口からではなく三段目の一番下から取り始められます。兄2人が先に入門していた荒汐部屋に入りました。

学生相撲出身の力士は体ができあがった状態で入門するぶん出世が早い一方、体格だけで押し切る相撲では幕内で通用しにくくなります。若隆景が技術で組み立てる相撲を磨いたのは、この土台の上にあります。

若隆景の土俵歴|初土俵から2度の幕内最高優勝まで

若隆景は2017年3月場所の初土俵から2年8か月で新入幕し、5年目に幕内最高優勝を遂げた力士です。

その後は大きなけがで幕下まで番付を落としながら、2度目の賜杯にたどり着いています。主な歩みは次のとおりです。

時期できごと
1994年12月6日福島県福島市に生まれる(大波三兄弟の三男)
2017年3月場所東洋大学から荒汐部屋へ。三段目最下位格付出で初土俵
2019年11月場所新入幕
2021年3月場所初の技能賞を受賞
2021年7月場所新小結
2022年3月場所新関脇で幕内最高優勝(決定戦で高安を破る)
2023年3月場所右膝前十字靭帯を損傷。再建手術を受け長期休場へ
2024年1月場所西幕下筆頭で7戦全勝、幕下優勝で関取復帰を決める
2024年5月場所十両優勝(14勝1敗)
2024年7月場所幕内へ復帰
2026年3月場所初日に大の里を破り初金星
2026年5月場所東小結で12勝3敗、決定戦を制し25場所ぶり2度目の優勝
2026年7月1日左太ももの急性コンパートメント症候群を発症。名古屋場所を全休

2022年春場所の初優勝|新関脇の優勝は双葉山以来86年ぶり

若隆景の初優勝は2022年3月場所で、新関脇としての優勝は1936年の双葉山以来86年ぶりの記録でした。

12勝3敗で並んだ高安との優勝決定戦を制して賜杯を手にしています。この場所の若隆景は、体格で上回る相手にも十分な形を作らせない立ち合いから、後述する「おっつけ」で相手の攻めを封じる相撲を徹底しました。

新関脇での優勝が90年近く出ていなかったのは、関脇が横綱・大関と当たり続ける最も過酷な地位だからです。上位総当たりの番付で15日間勝ち越し続ける難しさが、この記録の重さを物語っています。

右膝の大けがと幕下転落|2023年から2024年の再起

若隆景は2023年3月場所で右膝の前十字靭帯を損傷し、再建手術を経て番付を幕下まで落としました。

同年7月の名古屋場所の休場届には「右膝前十字靭帯損傷の術後。今後、約3か月間の加療を要する見込み」と記されたと報じられています。関脇の地位からの長期休場で番付は下がり続け、幕内から十両、そして幕下へと落ちました。

そこからの戻り方が、若隆景という力士を語るうえで欠かせない部分です。2024年1月場所に西幕下筆頭で7戦全勝の幕下優勝を果たして関取復帰を決めると、5月場所では14勝1敗で十両優勝、7月場所で幕内に戻りました。2025年には小結・関脇で2桁勝利を重ね、大関昇進をうかがう位置まで番付を戻しています。休場力士とは?番付への影響でも触れているとおり、幕内経験者が幕下から戻ってくること自体が簡単ではありません。

2026年夏場所の2度目の優勝|25場所ぶりの賜杯

2026年5月場所、若隆景は東小結で12勝3敗を挙げ、決定戦で霧島を破って25場所ぶり2度目の優勝を果たしました。

初優勝から4年、けがで番付を落としてから2年余りでの賜杯でした。2度の優勝を並べると次のようになります。

項目1度目2度目
場所2022年3月場所(春場所)2026年5月場所(夏場所)
番付東関脇(新関脇)東小結
成績12勝3敗12勝3敗
決定戦の相手高安霧島
記録新関脇の優勝は双葉山以来86年ぶり初優勝から25場所ぶりの2度目

2度とも12勝3敗で、2度とも優勝決定戦を勝ち上がっています。取りこぼしを最小限にして最後に競り勝つという勝ち方が、この力士の形だと言えます。

若隆景の相撲|「おっつけ」と「はず押し」で大型力士を止める

若隆景の相撲は、相手の腕を外側から絞る「おっつけ」で攻めを封じ、右四つから寄り切る形が基本です。

おっつけは、相手が差してこようとする腕を、自分の肘や前腕で外側から内側へ押し込む動きです。差し手を殺されると相手はまわしを取れず、押す力も伝わらなくなります。体重で劣る若隆景が大型力士に真正面から当たっても崩れないのは、当たった瞬間からこの作業を始めているからです。

もうひとつの武器が「はず押し」です。親指と人差し指を開いた手のひらを相手の脇の下にあてがい、下から突き上げて体を起こします。おっつけで差し手を殺し、はず押しで体を起こし、起きたところを右四つに組んで寄る。この順番が若隆景の勝ち筋です。

▍おっつけとはず押し(上から見た図)

おっつけはず押し若隆景相手相手の腕を外から内へ絞り、差し手を殺す若隆景相手開いた手を脇の下にあて、下から突き上げて体を起こす

※おっつけ・はず押しはいずれも決まり手の名称ではなく、取り口(体の使い方)を指す言葉です。

決まり手としては寄り切り押し出しが中心です。技能賞を7回受けているのは、この一連の技術が審判委員から高く評価されてきたことの表れといえます。

一方で弱点もあります。おっつけは相手の腕に手が届く距離でしか効かないため、立ち合いから一気に突き放されると持ち味を出せません。体重差のある力士に真正面から圧力をかけられ続けたときの苦しさは、上位で戦うほど大きくなります。

若隆景の現在|左脚のけがと復帰への見通し

若隆景は2026年7月に左太もものけがで長期の休場に入り、復帰の時期は決まっていません。

2026年7月場所は東関脇2枚目の番付で15日間を全休しました。直近の番付と成績は次のとおりです。

場所番付成績
2026年7月場所東関脇2枚目0勝0敗15休
2026年5月場所東小結12勝3敗(優勝)
2026年3月場所東前頭筆頭8勝6敗1休
2026年1月場所西前頭2枚目9勝6敗
2025年11月場所西前頭筆頭7勝8敗
2025年9月場所東関脇6勝9敗

※出典:日本相撲協会公式データ(2026年7月場所終了時点)

秋場所の新番付は2026年8月31日に発表されます。日々の取組結果や星取は大相撲の取組結果・速報、番付の顔ぶれは大相撲の番付表・最新版で確認できます。

急性コンパートメント症候群とは

急性コンパートメント症候群は、筋肉を包む区画の内圧が急に上がり、血流が滞って筋肉や神経が傷んでしまう緊急性の高い状態です。

多くは前腕やすねで起こるとされ、太ももで生じるのは珍しいと説明されています。若隆景の場合は2026年7月1日に左太ももで発症し、緊急手術を含む計4度の手術を受けたと報じられました。師匠の荒汐親方は、最初の処置が1時間半から2時間遅れていれば左脚を切断する可能性が高かったと明かしています。実際に切断には至らず、7月24日に退院してリハビリを始めています。

▍発症から退院までの経過(報道による)

7月1日左太ももに激痛・発症直後緊急手術。以後計4度の手術7月場所東関脇2枚目で全休(15休)7月24日退院しリハビリ開始

※日付と経過は各社の報道によります。医学的な見通しについては本人・部屋・医療機関の発表以上のことは分かっていません。

師匠は現役続行に支障はないとしたうえで、本人が再び土俵に立つ気持ちでいると語っています。復帰の場所については本人・部屋とも慎重な姿勢を示しており、時期は公表されていません。

休場が続くと番付は下がる|公傷制度は2003年で廃止

大相撲にはけがを理由に番付を守る仕組みがなく、休場が続けば番付は通常どおり下がります。

かつては公傷制度があり、本場所中のけがで翌場所を全休しても番付を据え置く扱いが認められていました。しかしこの制度は2003年をもって廃止され、現在は負傷による休場も不戦敗・休場として扱われます。したがって全休が重なれば、関脇であっても十両、さらに下の番付まで落ちることになります。

若隆景自身、2023年の右膝のけがのときに幕下まで番付を落とし、そこから関取に戻っています。番付が下がること自体は、この力士にとって初めての経験ではありません。仕組みの詳細は番付とは?相撲の階級・仕組み・見方休場力士とは?番付への影響で解説しています。

大波三兄弟|若隆元・若元春・若隆景

若隆景は「大波三兄弟」の三男で、兄2人も同じ荒汐部屋の力士として土俵に上がってきました。

本名の姓はいずれも大波で、四股名は毛利元就の三兄弟にちなみます。長兄の若隆元は2026年5月27日に現役を引退し、若者頭に就任しました。

四股名続柄名の由来現在
若隆元長男毛利隆元2026年5月に引退し若者頭
若元春次男吉川元春現役(幕内)
若隆景三男小早川隆景現役(休場中)

引退にあたって荒汐親方は、若隆元がいなければ若元春も若隆景もここまでやっていなかったかもしれない、と語ったと報じられています。三兄弟が同じ部屋で稽古を重ねてきたことが、下の2人の土俵を支えてきたということです。

若隆景についてよくある質問

Q. 若隆景は引退するのですか?

A. 引退は表明していません。師匠の荒汐親方は現役続行に支障はないとしたうえで、本人が再び土俵に立つ気持ちでいると語っています(2026年7月の報道時点)。

Q. 若隆景はいつ土俵に戻りますか?

A. 復帰の時期は決まっていません。秋場所(9月場所)も休場する見通しと報じられていますが、それ以降については本人・部屋とも慎重な姿勢を示しており、公表されていません。

Q. 休場が続くと番付はどこまで下がりますか?

A. 公傷制度が2003年に廃止されているため、けがによる休場でも番付は通常どおり下がります。全休が重なれば十両、さらに下の番付まで落ちることになります。実際にどの地位になるかは、その都度の番付編成会議で決まります。

Q. 若隆景の身長と体重はどれくらいですか?

A. 183.0cm・138.0kgです(日本相撲協会公式プロフィール・2026年7月場所終了時点)。幕内力士の平均と比べると体重で20kg以上軽く、技術で組み立てる相撲を身上としてきました。

Q. 若隆景に兄弟はいますか?

A. 2人の兄がいます。長兄の若隆元は2026年5月に引退して若者頭となり、次兄の若元春は現役の幕内力士です。3人とも荒汐部屋に所属し、「大波三兄弟」と呼ばれてきました。

Q. 若隆景の浴衣はどこで手に入りますか?

A. 力士の浴衣地は本人が後援者や関係者へ配る贈答品で、一般に常時販売されているものではありません。取り扱いがある場合は部屋の後援会や場所ごとの公式グッズ売り場が窓口になります。最新の情報は荒汐部屋の公式サイトや日本相撲協会の公式グッズ案内でご確認ください。

まとめ|若隆景がもう一度土俵に上がるまで

若隆景は、2度の幕内最高優勝と2度の大きなけがを経験した、技術で相撲を組み立てる力士です。

おっつけとはず押しで大型力士の攻めを止め、右四つから寄り切る。その形は体格に恵まれた者だけが強いのではないことを、土俵の上で繰り返し示してきました。2023年の右膝のけがで幕下まで落ちながら賜杯に戻ってきた道のりは、その証しでもあります。

いま分かっているのは、左脚のけがが重かったこと、命と脚が守られたこと、そして本人が再び土俵に立つつもりでいることだけです。番付がどこまで下がるのか、いつ戻るのかを今から数えても意味はありません。土俵は、戻ってきた者を地位ではなく相撲で迎えます。稽古場に立てる日が来るのを、静かに待ちたいと思います。

現役力士の顔ぶれは現役力士一覧、幕内の番付は幕内力士一覧から確認できます。

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