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寄り倒しとは?寄り切りとの違いと決まり手の技術を解説

寄り倒しとは?寄り切りとの違いと決まり手の技術を解説
寄り倒しとは?寄り切りとの違いと決まり手の技術を解説

寄り倒しとは、四つ身(まわしを取り合った組み体勢)で相手に寄り立てながら、土俵際で体重を浴びせて倒す大相撲の決まり手です。日本相撲協会が定める基本技7手のひとつで、寄り切りと並んで毎場所のように見られる決着パターンのひとつです。「寄り切りとどう違うの?」と疑問を持つ観戦初心者の方も多いこの技の定義・動作・名手まで、詳しく解説します。

目次

寄り倒しとは:日本相撲協会の公式定義

寄り倒しは、日本相撲協会が定める決まり手82手のうち「基本技」に位置づけられる技です。

日本相撲協会の公式定義は「四つ身で寄りながら相手を土俵際で倒すこと」とされています(日本相撲協会公式サイトより)。

四つ身とは、双方の力士がまわしを取り合い、胸を密着させた組み体勢のことです。この体勢から前へ進みながら圧力をかけ、相手の体を後方へ崩して倒すのが寄り倒しです。

「四十八手」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これは技の多さを示す古来の慣用表現であり、日本相撲協会が公式に定めている決まり手は82手です。寄り倒しはその中の基本技7手(突き出し・突き倒し・押し出し・押し倒し・寄り切り・寄り倒し・浴びせ倒し)のひとつとして位置づけられています。

以下のよくある疑問を確認しておきましょう。

Q. 寄り倒しと寄り切りはどう違うのですか?

A. 最大の違いは相手の体がどうなるかです。寄り切りは相手の足が土俵の外に踏み出した時点で成立しますが、寄り倒しは相手の体が土俵内外を問わず「倒れた」時点で成立します。攻め手が体重を浴びせる勢いが強い場合に寄り倒しと判定されることが多いです。

Q. 寄り倒しは四十八手に含まれますか?

A. 寄り倒しは日本相撲協会公式の決まり手82手のひとつで、基本技に分類されます。「四十八手」は古来の慣用句であり、実際の公式決まり手は82手です。

寄り切りとの違いはわずかなように思えますが、行司・審判にとっては倒れるタイミングと足の位置を同時に確認しなければならない判定難度の高い技でもあります。

寄り倒しが決まるまでの3ステップ

寄り倒しは「組んだだけで自然に決まる」技ではなく、3つの局面を正確にこなして初めて決まります。

以下の図で動作の流れを確認してください。

ステップ1 組みつき・引き付け まわしを深く取り 胸を密着・腰を低く ステップ2 寄り立て すり足で前進 腰の圧力を保ちながら ステップ3 浴びせ・崩し 体重を前方へ抜かず 押し付けて倒す 攻め手 守り手

このように、各ステップをつなぐ腰の高さと足の運びが、寄り倒しの成否を左右します。

ステップ1:組みつき・引き付け

立ち合いから素早く相手の懐に入り、まわしを深く取って胸を密着させます。腰を低く落とした状態を保つことが重要で、腰が高くなると土俵際での投げや引き落としによる逆転を招きます。まわしの取り方(上手・下手)によって寄る方向や力のかけ方が変わるため、自分の得意な形を作れるかが勝負の前提条件となります。

ステップ2:寄り立て

足をすり足で小刻みに前へ運びながら、腰の圧力を保ったまま相手を後退させます。一気に動こうとして足が流れると体勢が崩れ、相手に引き落とされる危険があります。「足が動いている間は腰を抜かない」ことが、経験豊富な力士が口をそろえて指摘するポイントです。

ステップ3:浴びせ・崩し

相手が土俵際で踏ん張るところへ、胸と腹の重みを前方に抜かず押し付けます。ここで腰が伸びたり引く動作が入ると相手の粘りに負けてしまいます。腹を突き出すようにして体重を乗せ続けることで、相手の体を後ろへ崩して倒すことができます。

元横綱・北の富士勝昭氏(NHK大相撲中継)は「寄り倒しになるのは攻める側にそれだけ勢いと体重が乗っている証拠。相手に何もさせずに自分の重みを伝えるのが一番安全な勝ち方」と解説しています(NHK大相撲中継、2023年11月場所)。

寄り倒しと紛らわしい技:寄り切り・浴びせ倒し・押し倒しの違い

寄り倒しは似た技との区別が難しく、観戦中に「なぜ寄り切りではなく寄り倒しなのか」と感じる場面があります。

以下の比較表で整理しましょう。

技名まわしの有無判定の基準違いのポイント
寄り倒しあり(四つ身)相手の体が倒れた時点前進しながら体重を浴びせて倒す
寄り切りあり(四つ身)相手の足が土俵外に出た時点倒れずに足が外に踏み出せば寄り切り
浴びせ倒しあり(四つ身)その場で体重を上から預けて倒す前進(寄る動作)がない点が異なる
押し倒しなし(まわしを取らない)手のひらで押して後ろへ倒す四つ身ではなく突き押しの体勢から

判定はコンマ数秒の差で変わるため、同じ取組でも行司の軍配後に物言いがつき、審判協議で決まり手が変更されることもあります。

Q. 浴びせ倒しと寄り倒しはどう違いますか?

A. 浴びせ倒しは前に進む「寄る」動作を伴わず、組んだ体勢からその場で上から体重を預けて倒す技です。寄り倒しは前進しながら相手を後退させる動作が必要な点で異なります。

Q. 寄り倒しと押し倒しは何が違いますか?

A. 押し倒しはまわしを取らずに手のひらで相手を押して倒す技です。寄り倒しはまわしを取った四つ身の体勢から倒す点が最大の違いです。

こうした細かな違いを知っておくと、実際の取組観戦でアナウンスされる決まり手の意味がより深く理解できます。

寄り倒しの名手たち:歴代と現役の使い手

歴代の名手

寄り倒しは四つ相撲を得意とする重量級力士が多く記録してきた技です。

北の湖(第55代横綱)は圧倒的な体躯と左四つからの強力な引き付けを武器とし、寄り立てから浴びせるまでの一連の動作に隙がなかったとされます。大鵬(第48代横綱)は懐の深さを活かして相手を包み込むように寄り倒すスタイルで多くの勝ち星を積み上げました。千代の富士(第58代横綱)は体格差のある相手にも強引な引き付けで密着し、圧力をかけ続ける寄り倒しを随所で見せました(※情報源により異なる場合があります)。

現役の使い手

豊昇龍(横綱)は巨体と腕力で相手を上から潰すような寄り倒しを持ち味のひとつとしています。琴櫻(大関)は馬力のある四つ相撲から土俵際での浴びせへの移行が鋭く、寄り倒しへの展開が多い力士のひとりです。霧島(大関)も組んだ体勢からの圧力でこの技に持ち込むパターンを持っています(※情報源により異なる場合があります)。

元大関・芝田山親方は「今の力士は土俵際で無理に残そうとして大怪我をするケースが目立つ。寄り倒される側も、引き付けられた重圧に耐えかねて腰から落ちてしまう」と、寄り倒される側の危険性と技の威力を指摘しています(日刊スポーツ、2024年5月掲載)。

実戦データ:寄り倒しはどれくらい決まる技か

寄り倒しは毎場所のように上位ランクで記録される、出現頻度の高い決まり手です。

幕内の取組では寄り切り・押し出しと並んで最も多く見られる決まり手のひとつとされており、特定の場所や時期に偏ることなく安定して発生しています(※情報源により異なる場合があります)。

X(旧Twitter)上では場所中の取組実況で「寄り倒し」のアナウンスに反応するファンが多く、「あれは倒れたから寄り倒しか」「寄り切りかと思ったのに」といった声が毎場所見られます。2026年5月場所(夏場所)でも複数の取組で寄り倒しが記録され、決着直後にリアルタイムの実況投稿が多数投稿されています。

Q. 寄り倒しはどれくらいの頻度で出る技ですか?

A. 大相撲の幕内取組では最も多く見られる決まり手のひとつで、寄り切り・押し出しと並んで毎場所を通じて高頻度で記録されます。四つ相撲が得意な幕内上位力士が多いことも、出現頻度が高い理由のひとつです。

出現頻度の高さは、それだけ「四つ相撲で体重を乗せて前に出る」という相撲の基本が現代でも有効であることを示しています。

決まるための条件:体格・体勢と寄り倒しの関係

寄り倒しが決まりやすいシチュエーションには、一定のパターンがあります。

攻め手側が体重のある大型力士で、相手より腰が低く安定した体勢を保てている場合に決まりやすい技です。逆に、守り手側が小兵力士であったり、土俵際での引き付けに対して上からの圧力を受け流せない体型であったりすると、寄り倒しを受けやすくなります(※情報源により異なる場合があります)。

体勢の面では、まわしを引き付けて胸が密着した「がっぷり」の状態から前に圧力をかけ続けられるかどうかが鍵です。腰が高い状態や、足が流れた状態では体重が前に乗らず、相手に残られたり逆に投げられたりするリスクが高まります。

Q. 寄り倒しが決まりやすい体格・体型はありますか?

A. 攻め手が体重のある大型力士で、相手が小兵または上からの圧力に弱い力士の場合に決まりやすい傾向があります。腰を低く保ちながら胸を密着させた状態で寄れると、特に決まりやすくなります。

体格差がなくても、腰の低さと足の運びで攻め手が優位に立てれば、より軽い力士でも寄り倒しを決めることができます。

まとめ

寄り倒しは日本相撲協会が定める基本技7手のひとつで、「四つ身で寄りながら相手を土俵際で倒す」技です。寄り切りとの違いは「足が外に出るか、体が倒れるか」の一点にあり、判定はコンマ数秒の差で変わります。3ステップの動作(組みつき→寄り立て→浴びせ)を理解しておくと、取組中のどの瞬間が勝敗を分けたかを感じ取る観戦の楽しみが広がります。

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