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突き出しとは?押し出しとの違い・やり方・名手を徹底解説

突き出しとは?押し出しとの違い・やり方・名手を徹底解説
突き出し(決まり手)のイラスト|力士が相手の胸を突いて土俵外へ出す瞬間

突き出しとは、相手の胸・肩・喉に掌を当てて突き、土俵の外へ出す相撲の決まり手です。掌を離して繰り返す「突っ張り」が特徴で、掌を離さずに押し続ける「押し出し」とは動作が異なります。日本相撲協会が定める82手の基本技のひとつで、決まり手ランキングでは12位前後・全体の約2.9%を占めます(日本相撲協会公式データより)。

この記事では、突き出しの定義・やり方・押し出しとの違い・実戦データ・名手一覧まで、初心者にもわかりやすく解説します。

目次

突き出しとは——日本相撲協会の公式定義

突き出しは、日本相撲協会が定める82手の決まり手のうち「基本技」に分類される技です。

公式定義は「相手の胸や肩を突き、土俵の外へ出す技」(日本相撲協会公式サイトより)。相手に組まれる前に掌で突きを連続して繰り出し、外へ追い出すシンプルかつ豪快な技で、突き押し相撲を得意とする力士の最大の武器になります。

「突き」と「押し」は一見似ていますが、大相撲では厳密に区別されています。突き出しの「突き」は、掌を相手に当てては離す動作を繰り返す連続打撃。一方「押し出し」の「押し」は、掌を当てたまま離さずに圧力をかけ続ける動作です。この違いが、決まり手としての呼称を分けます。

突き出しのやり方——3ステップで解説

突き出しが決まる流れは、立ち合いから3つの局面に分解できます。

以下の図は、突き出しの動作フローを示したものです。

①立ち合い 低く踏み込んで 出鼻を捉える ②突っ張り連続 掌を当てては離す 動作を繰り返し 重心を後方へ崩す ③足を運び前進 小刻みに足を送り 前方へ圧力を かけ続ける ④突き出し決まり! 相手が土俵の外へ → 突き出し 出典:日本相撲協会公式サイト「決まり手図鑑」をもとに作成(編集部調べ)

ステップ1——立ち合いで低く踏み込み、出鼻を捉える
両足を踏み込み、重心を低く落としながら相手の胸板へ向かって体重を乗せます。頭の位置を上げず、腰を落とした体勢を維持することが重要です。腕が長くリーチに勝る力士が、相手を懐に入れないまま先手を取るのが突き出しの理想的な立ち合いです(日本相撲協会公式サイトより)。

ステップ2——掌を当てては離す「突っ張り」を連続して繰り出す
掌を相手の胸・肩・喉付近に当てては離す動作を素早く繰り返します。肘を伸ばしきる瞬間に力を爆発させることで、一発ごとの突きに重みが生まれます。単発では相手の体勢を崩すには不十分なため、連続して叩き続けることで相手の重心を後方へ崩していきます(日本相撲協会公式サイトより)。

ステップ3——足を小刻みに運び前進し、土俵外へ追い出す
突っ張りに合わせて足を素早く小刻みに前へ送ります。上体が前傾しすぎると引き落としで返される危険があるため、腰の角度を保ちながら前方へ圧力をかけ続け、相手が土俵を割るまで攻め続けます(編集部調べ)。

押し出し・突き落としとの違いを比較

突き出しと混同されやすい類似技を表で整理します。

技名掌の接触腕の動作決着の形
突き出し当てては離す(断続的)肘を伸縮させて突く土俵外へ出す
押し出し当てたまま離さない(継続的)脇を締めて当てがう土俵外へ出す
突き落とし当てては離す(断続的)横や下方向へ突く土俵に這わせる

「突き出し」と「押し出し」はどちらも相手を土俵外へ出す技ですが、掌を「離す」かどうかが最大の違いです。「突き落とし」は突き出しと同じく掌を離しながら突く動作ですが、相手を外に出すのではなく地面に這わせることで決まります(日本相撲協会公式サイトより)。

突き出しの実戦データ——決まり手ランキングと出現頻度

突き出しは決まり手全体の中で12位・約2.9%を占めます(日本相撲協会公式データより)。

2024年の決まり手ランキングでは、1位が押し出し(26.7%)、2位が寄り切り(24.6%)と上位2技で全体の半分を占めます(ABEMAデータ×日本相撲協会、2025年1月)。突き出しはこれらの主要技には及ばないものの、2010年代以降は年間平均54件と増加傾向が続いており、突き押し相撲の隆盛を反映しています(NumberWeb、2019年)。

年別の出現件数は幕内・十両・幕下を合計した概算で2023年が243件、2024年が258件と増加傾向にあります(※概算・編集部調べ)。

突き出しの名手——現役・歴代力士

突き出し回数ランキング TOP5(2013〜2026年)

以下は日本相撲協会が公開する近年の公式データ(2013年1月場所〜2026年5月場所)に基づく集計です(編集部調べ)。

順位力士名回数特徴
1位朝興貴89回突き押し一筋で幕下・三段目を長く活躍
2位琴勇輝87回元関脇(現・荒磯親方)。強烈な突き押しで幕内を沸かせた
3位大栄翔82回現役関脇。現代を代表する突き押しのスペシャリスト
4位千代大龍66回元小結。立ち合いの破壊力と重い突き放しが持ち味
5位阿炎61回現役小結。長い手足を生かした諸手突きからの攻めが得意

歴史に名を残す突き押し名手5選

回数だけでは語れない、大相撲の歴史に突き出しの名手として記憶される力士を紹介します(編集部調べ)。

千代大海(元大関)——「ツッパリ大関」の異名
回転の速い強烈な突っ張りを武器に、相手に何もさせずに土俵外へ吹き飛ばす相撲で「ツッパリ大関」の異名を取りました。突き押し一本で大関の地位を長く守り続けた希有な存在です。

曙(元横綱)——規格外の一発の重さ
200cmを超える長身と200kg超の体重から繰り出される突きは規格外の破壊力でした。一発の突きの重さでは歴代最強クラスとされています。

寺尾(元関脇)——細身の「鉄人」が繰り出す回転の突っ張り
細身ながらも闘志あふれる回転の速い突っ張りで大型力士に真っ向から立ち向かいました。いぶし銀の魅力を持つ名手として語り継がれています。

貴景勝(元大関)——突き押し一本で大関へ
四つに組むことを極力避け、強靭な体幹と鋭い出足を活かした突き押し相撲を徹底的に貫いて大関の地位に上り詰めました。現代の突き押し相撲の完成形を示した力士です。

栃木山(元横綱)——大正時代のレジェンド
大正時代に活躍した第27代横綱。小兵ながら並外れた腕力と出足を持ち、相手が対抗手段を持てないほどの圧倒的な押し・突きを誇りました。

突き出しが決まった名場面

2026年5月場所初日——藤ノ川が大関・琴櫻を撃破

夏場所初日(2026年5月10日)、小結・藤ノ川(体重約124kg)が東大関・琴櫻(体重約179kg)を突き出しで破るという番狂わせが起きました。体重差約55kgの大関を立ち合いから突き押しで一気に押し込んだ内容で、日本相撲協会公式アカウントの投稿にはいいね631件と大きな反応が集まりました。

藤ノ川のような小兵力士が突き出しで大型力士を倒せるのは、立ち合いの鋭い踏み込みと腕の角度が生み出す出足の威力があってこそです。重さだけでなく速さと角度が勝負を決める突き出しの本質が凝縮された一番でした。

大栄翔——霧島戦・琴櫻戦での突き出し勝利

現役関脇・大栄翔は突き出し回数ランキング歴代3位の実績を持ち、2025年の夏場所でも霧島・琴櫻を突き出しで破る取組を見せています(Grok、相撲ファン分析投稿より)。「これが大栄翔の相撲」とファンに高く評価される、出足の鋭さと連続する突っ張りが光る典型的な突き出し勝利です。

よくある質問(FAQ)

Q. 突き出しとはどんな技ですか?

相手の胸・肩・喉に掌を当てて突き、土俵の外へ出す相撲の決まり手です。日本相撲協会が定める82手の基本技のひとつで、突っ張りを連続して繰り出して相手を外へ追い出すのが特徴です(日本相撲協会公式サイトより)。

Q. 突き出しと押し出しの違いは?

最大の違いは掌を「離すかどうか」です。突き出しは掌を当てては離す動作(突っ張り)を繰り返しますが、押し出しは掌を当てたまま離さずに押し続けます(日本相撲協会公式サイトより)。

Q. 突き出しを得意とする現役力士は?

大栄翔(関脇)と阿炎(小結)が現代を代表する突き出しの名手です。2013〜2026年の通算回数でも大栄翔が3位(82回)、阿炎が5位(61回)にランクインしています(編集部調べ)。

Q. 突き出しは決まり手ランキングで何位ですか?

12位前後で、全体の約2.9%を占めます。1位の押し出し(26.7%)や2位の寄り切り(24.6%)には及びませんが、2010年代以降は増加傾向にあります(日本相撲協会公式データより)。

Q. 突き出しと突き落としの違いは?

どちらも掌を当てては離す突きの動作ですが、相手が土俵の外へ出れば「突き出し」、土俵上に這わせれば「突き落とし」となります(日本相撲協会公式サイトより)。

Q. 突き出しが決まりやすい力士の特徴は?

腕が長くリーチに勝る力士が、相手を懐に入れないまま先手を取れる展開で決まりやすい技です。鋭い出足と連続する突きの回転力が、突き出しの決定率を左右する最大の要素です(編集部調べ)。

まとめ

突き出しは、掌を当てては離す突っ張りを繰り返して相手を土俵外へ出す相撲の基本技です。掌を離さずに押し続ける押し出しとは動作が異なり、出足の鋭さと連続する突きの重さが決め手になります。決まり手ランキングでは12位・約2.9%と中位に位置しますが、2010年代以降は増加傾向にあり、突き押し相撲を得意とする大栄翔・阿炎らの活躍とともに現代大相撲の重要な技として定着しています。

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