大相撲名古屋場所14日目の2026年7月25日、東横綱・豊昇龍(27、モンゴル出身、立浪部屋)が休場した。13日目を終えて7勝6敗と苦しみ、この日は東大関・霧島との一番が組まれていたが、土俵に上がることなく不戦敗となった。
師匠の立浪親方(元小結・旭豊)は、先場所で痛めた右太もも裏が治っていなかったこと、そしてそれをかばう中で別の箇所も悪くなっていたことを休場の理由として説明した。横綱在位9場所で4度目の休場である。
13日目終了時点で、豊昇龍と西横綱・大の里はそろって7勝6敗だった。残り2日をどう戦うかに注目が集まっていた矢先の休場であり、優勝争いにも直接影響が及ぶ形となった。
この記事でわかること
- 豊昇龍が名古屋場所14日目から休場した経緯と、師匠・立浪親方が語った理由
- 休場によって豊昇龍の今場所の成績がどう確定するのか(星勘定の中身)
- 13日目まで報じられていた「史上3例目の皆勤負け越し」との関係
- 横綱在位9場所で4度目という休場の重なり方と、先場所の診断内容
- 不戦勝を得た霧島を含む、14日目時点の優勝争いの並び
横綱・豊昇龍が名古屋場所14日目から休場|霧島が不戦勝
日本相撲協会は14日目の2026年7月25日、東横綱・豊昇龍の休場を発表した。14日目に組まれていた東大関・霧島戦は不戦勝となり、霧島は土俵に上がらないまま白星を積み上げた。まずは休場の概要を整理しておく。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 力士 | 豊昇龍(東横綱・27歳・モンゴル出身・立浪部屋) |
| 休場日 | 2026年7月25日(名古屋場所14日目)から |
| 13日目終了時の成績 | 7勝6敗 |
| 14日目の対戦相手 | 霧島(東大関)=不戦勝 |
| 理由 | 先場所で痛めた右太もも裏(ハムストリングス)が治らず、かばう中で他の箇所も悪化 |
| 横綱在位中の休場 | 在位9場所で4度目 |
横綱が場所終盤に休場する事態は、優勝争いと勝ち越し争いの両方に同時に影響する。とりわけ今場所は、豊昇龍自身の勝ち越しが最後まで決まっていなかった点で、通常の途中休場とは意味合いが異なっていた。
13日目終了時点で7勝6敗、残り2日に勝ち越しが懸かっていた
豊昇龍は13日目に東関脇・熱海富士に寄り倒しで敗れ、7勝6敗となっていた。15日制の本場所では8勝で勝ち越しとなるため、14日目と千秋楽のどちらかで1勝すれば勝ち越し、2連敗なら負け越しという瀬戸際に立っていたことになる。
横綱にとって負け越しは、番付が下がらない地位である以上、成績以上の重みを持つ。それだけに残り2日の一番は、優勝争いとは別の意味で注目されていた。
師匠・立浪親方が語った休場の経緯
休場を受け、師匠の立浪親方は報道陣に対して経緯を説明している。語られた内容は、身体の状態・本人からの申し出・精神面の三つに整理できる。
立浪親方が語った休場の背景
1. 身体
先場所で痛めた右太もも裏が治っていなかった。かばう中で他の箇所も調子を落とした
2. 本人の申し出
「ふがいない相撲は取れない」「応援してくれる人に申し訳ない」と本人から
3. 精神面
横綱として優勝がないことへの重圧が大きく、力が出せない状態にあったとの見方
親方が身体面だけでなく本人の申し出や精神面にまで踏み込んで語った点が、今回の休場説明の特徴である。以下、それぞれを個別に見ていく。
先場所痛めた右太もも裏が治らず、かばって別の箇所も悪化
立浪親方は「先場所(夏場所)痛めたハムストリングス(右太もも裏)が治っていなかった。それをかばって他のところも悪くなった」と説明している。負傷そのものが今場所発生したのではなく、前の場所から持ち越された故障であったという内容である。
かばう動きが別の箇所に負担を移すのは、力士に限らず身体を使う競技で起こりやすい流れとされる。立ち合いから瞬時に力を出し切る相撲では、下半身の一部に不安があるだけで組み立て全体が変わってしまう。
「横綱で優勝していない」重圧への言及
親方は身体面に加えて、精神面にも触れている。「横綱で優勝していない? そういうプレッシャーが一番大きくて力が出せない。体が硬くなったりしている」と述べた。
豊昇龍は横綱昇進後、まだ優勝がない。番付の頂点にありながら賜杯に手が届かない状態が続いており、その積み重ねが土俵上の動きに影響していたのではないか、という見立てである。師匠が公の場でこうした受け止めを語るのは、比較的踏み込んだ発言といえる。
本人は「ふがいない相撲は取れない」と申し出た
親方によると、休場は豊昇龍本人からの申し出があって決まった。「本人から『ふがいない相撲は取れない』と。『応援してくれる人に申し訳ない。すいません』と謝っていた」という。
そのうえで親方は「(万全ではない中で)出してしまった私の責任もある。準備不足もありましたから」と、自身の判断にも言及した。休場した力士側から責任の所在に触れる説明が出るケースは多くなく、今場所の内容に対する危機感がうかがえる(編集部分析)。
今場所の13日間|平幕への取りこぼしが響き、13日目に2ケタ白星が消滅
休場に至るまでの13日間は、横綱にとって厳しい内容が続いた。特に効いたのが、優勝争いに絡んだ関脇陣に敗れた星である。主な黒星を時系列で確認する。
| 日 | 相手 | 内容 | 通算 |
|---|---|---|---|
| 9日目 | 義ノ富士(新小結) | 敗れて3敗目 | 6勝3敗 |
| 10日目 | 安青錦(関脇) | 敗れて4敗目 | 6勝4敗 |
| 13日目 | 熱海富士(東関脇) | 寄り倒しで敗れて6敗目。2ケタ白星が消滅 | 7勝6敗 |
| 14日目 | 霧島(東大関) | 休場のため不戦敗 | 7勝7敗 |
優勝争いの上位に立った関脇2人に敗れているのが今場所の特徴で、番付上位としての力関係が入れ替わりつつあることを示す内容だった。
10日目、関脇・安青錦に敗れて4敗目
10日目に敗れた相手の安青錦は、今場所そのまま優勝争いの先頭に立つことになる関脇である。この時点で4敗となり、横綱の優勝の目は事実上なくなった。
安青錦は11日目に10勝目を挙げて1場所での大関復帰を決めており、勢いの差がそのまま星取に表れた形といえる。
13日目、関脇・熱海富士に敗れて6敗目
13日目は熱海富士に寄り倒しで敗れ、6敗目を喫した。この一番で今場所の2ケタ白星の可能性が消え、残り2日は勝ち越しをかけて戦う位置まで後退した。
同じ13日目、西横綱・大の里は前頭13枚目・尊富士を寄り切って7勝目を挙げている。両横綱がそろって7勝6敗で14日目を迎えるという、めったに見ない星勘定になっていた。
横綱在位9場所で4度目の休場|先場所は2日目から
今回の休場は、豊昇龍にとって横綱在位9場所で4度目にあたる。昇進後の在位期間に対して休場の割合が高く、その点が土俵内外で論じられる要因になっている。
横綱在位9場所と休場の重なり
横綱在位
9場所
うち休場
4度
横綱としての優勝
なし
直近の休場
2026年5月
夏場所2日目から
数字だけを並べると厳しく見えるが、休場の中身は場所ごとに異なる。直近の夏場所については、診断内容まで公表されている。
先場所の診断書は「右ハムストリングス損傷で約2週間の安静」
先場所にあたる2026年5月の夏場所では、豊昇龍は2日目から休場した。このとき提出された診断書には「右ハムストリングス損傷で約2週間の安静を要する見込み」と記されていたと報じられている。今回の休場理由として親方が挙げた右太もも裏は、この時の負傷と同じ箇所である。
夏場所は東西の横綱がそろって土俵に上がれない状況となり、5年ぶりの両横綱不在となった。負傷から場所を跨いで影響が残っていたことになり、今回の休場は独立した出来事というより、前場所からの続きとして捉えるのが実態に近い(編集部分析)。
「史上3例目の皆勤負け越し」の可能性は消え、負け越しが確定
13日目を終えた段階では、両横綱がそろって7勝6敗だったことから、千秋楽に勝ち越しをかけた横綱同士の対戦が組まれる可能性が報じられていた。横綱が15日間皆勤して負け越した例は大乃国、3代目若乃花の2例とされ、今場所は史上3例目の可能性が話題になっていた。
しかし豊昇龍が14日目から休場したことで、その構図は変わった。休場した力士は残りの取組が不戦敗として計上されるため、14日目と千秋楽の2番が黒星となり、今場所は7勝8敗で確定する。つまり皆勤ではなくなった一方で、負け越し自体は避けられない形になった。
「負け越しを避けるための休場ではないか」という見方も一部で出ているが、星勘定のうえでは休場した時点で負け越しが確定する。この点は押さえておきたい(編集部分析)。
優勝争いへの影響|霧島が不戦勝で11勝3敗、首位・安青錦を追う
豊昇龍の休場は、優勝争いにも直接影響した。14日目の相手だった霧島が不戦勝で1勝を加えたためである。13日目終了時点の並びと、不戦勝を反映した14日目時点の位置を整理する。
| 力士 | 番付 | 13日目終了時 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 安青錦 | 関脇 | 11勝2敗 | 単独首位。13日目に霧島を肩透かしで破る |
| 霧島 | 東大関 | 10勝3敗 | 14日目は豊昇龍の休場により不戦勝=11勝3敗 |
| 熱海富士 | 東関脇 | 10勝3敗 | 13日目に豊昇龍を寄り倒しで破る |
| 尊富士 | 前頭13枚目 | 10勝3敗 | 13日目に大の里に敗れる |
| 獅司 | 前頭14枚目 | 10勝3敗 | 平幕からの追走 |
首位の安青錦は上位との対戦を終えており、番付上位との割が残る追走組に比べて日程面で有利な立場にある。一方で3敗勢は4人と多く、星の差は1つしかない。
土俵に残る横綱は大の里だけ
豊昇龍の休場により、14日目に土俵へ上がる横綱は西横綱・大の里のみとなった。大の里も13日目終了時点で7勝6敗であり、14日目は大関・琴桜との一番が組まれている。
大の里が14日目・千秋楽の2番をどう戦うかによっては、皆勤しての負け越しという結果も残されている。豊昇龍の休場でこの話題が消えたわけではなく、焦点が西横綱ひとりに移った形である。
千秋楽に向けた焦点
残り2日の焦点は、安青錦が2敗を守り切れるかに集約される。首位と3敗勢の差は1つで、安青錦が星を落とし、追走組が勝ち星を伸ばせば並ぶ計算になる。
ただし3敗が4人いる以上、追う側同士の対戦が組まれればその分だけ人数は絞られる。横綱1人が土俵から去った終盤戦は、大関と関脇、そして平幕勢が主役になる展開となった。
ファンの受け止め|同情と厳しい見方が交錯
休場の報を受けたSNS上では、反応が分かれている。以下はいずれも投稿の傾向であり、事実として確認されたものではない。
同情や励ましの側からは、まず負傷を治すべきだという声、来場所の復調を待つという声が目立つ。一方で、横綱在位9場所で4度目という休場の頻度そのものを問題視する声や、勝ち越しがかかった終盤での休場という点に厳しい見方を示す投稿も見られる。
「横綱としてふさわしいか」「進退はどうなるのか」といった議論や、横綱に降格制度を設けるべきだという意見が出ているのも今回の特徴である。番付の頂点にありながら成績が伴わない状態が続いていることが、こうした反応の背景にあるとみられる。
不戦勝を得た霧島についても、優勝争いへの影響を指摘する投稿が多く見られた。星の差1つで首位を追う位置にいるだけに、労せず得た1勝の重みに注目が集まっている。
豊昇龍の休場に関するよくある質問
Q. 豊昇龍はいつから休場したのですか?
A. 2026年7月25日、名古屋場所14日目からです。13日目までは出場しており、7勝6敗で14日目を迎える予定でした。
Q. 休場すると今場所の成績はどうなりますか?
A. 7勝8敗となります。休場した力士は残りの取組が不戦敗として計上されるため、14日目と千秋楽の2番が黒星となり、負け越しが確定します。
Q. 休場の理由は何ですか?
A. 師匠の立浪親方は、先場所(2026年5月の夏場所)で痛めた右太もも裏(ハムストリングス)が治っておらず、それをかばう中で他の箇所も悪くなったと説明しています。夏場所では「右ハムストリングス損傷で約2週間の安静を要する見込み」との診断書が提出されていました。
Q. 横綱は成績が悪いと大関に降格しますか?
A. 降格はありません。横綱は番付を下げない地位とされ、成績不振が続いた場合の選択肢は引退に限られます。この仕組みが、横綱の休場や負け越しが大関以下より重く受け止められる理由になっています。
Q. 横綱審議委員会はどのように関わりますか?
A. 横綱審議委員会は成績不振の横綱に対し、内規に基づいて「激励」「注意」「引退勧告」といった決議を行えるとされています。今回の休場を受けて委員会がどのような判断を示すかは、現時点では明らかになっていません。
Q. 横綱が皆勤して負け越した例はありますか?
A. 大乃国と3代目若乃花の2例があるとされます。13日目終了時点で両横綱がそろって7勝6敗だったため、今場所は史上3例目の可能性が話題になっていましたが、豊昇龍は休場により皆勤ではなくなりました。
Q. 優勝争いはどうなっていますか?
A. 13日目終了時点で関脇・安青錦が11勝2敗の単独首位です。3敗で追うのは霧島、熱海富士、尊富士、獅司の4人で、このうち霧島は豊昇龍の休場による不戦勝で11勝3敗となりました。
まとめ
名古屋場所14日目、東横綱・豊昇龍が休場した。13日目終了時点で7勝6敗、残り2日に勝ち越しが懸かる状況からの決断であり、休場により今場所は7勝8敗で確定する。
師匠の立浪親方は、先場所から持ち越した右太もも裏の負傷、本人からの申し出、そして横綱として優勝がないことへの重圧という三つの要素を挙げて経緯を説明した。「出してしまった私の責任もある」という言葉には、今場所全体への受け止めがにじんでいる。
横綱在位9場所で4度目の休場という数字は重い。一方で、負傷の内容は先場所からの継続であり、単発の不調とは性質が異なる。復調に必要な時間をどこで確保するかという判断が問われる局面に入ったといえる(編集部分析)。
優勝争いは、不戦勝で11勝3敗とした霧島を含む3敗勢4人が、11勝2敗の安青錦を星1つ差で追う形になった。土俵に残る横綱は大の里だけとなり、終盤戦の主役は大関・関脇・平幕勢へと移っている。千秋楽まで、勝ち越しと優勝の両方が動く2日間になる。
主な出典:時事通信、NHK、東京スポーツ、スポーツ報知、デイリースポーツ、スポーツニッポン、日本経済新聞
