両国国技館は、取組を見るだけの場所ではありません。地下で焼かれる名物やきとり、入館無料の相撲博物館、館内に祀られた相撲の神様まで、建物そのものに楽しみが詰まっています。この記事では、国技館という会場を一日かけて味わうための過ごし方を、日本相撲協会の公式情報をもとに整理します。
📖 この記事でわかること
- 両国国技館の基本データと、2026年の東京場所の日程
- 地下の工場で焼かれる「国技館やきとり」など館内グルメの楽しみ方
- 入館無料の相撲博物館と、館内にある野見宿禰神社の授与所
- 何時に着けばよいか、再入場はできるかといった当日の過ごし方
- 本場所がない日でも国技館を楽しめる方法
両国国技館とはどんな場所か
両国国技館とは、東京都墨田区横網にある大相撲の常設会場で、定員11,098人を収容する多目的ホールです。1985年(昭和60年)1月に現在の建物が開館し、以来、一月場所・五月場所・九月場所の東京三場所の舞台となってきました。館内には相撲博物館やグッズ売店も備わり、取組のない時間帯にも見て回る場所があります。
基本データはこの一覧で
会場の前提を先に押さえておくと、当日の動き方が決めやすくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都墨田区横網1-3-28 |
| 定員 | 11,098人 |
| 最寄り駅 | JR総武線 両国駅から徒歩1分/都営大江戸線 両国駅から徒歩5分 |
| 開館 | 1985年(昭和60年)1月 |
| 東京場所 | 一月場所・五月場所・九月場所(各15日間) |
| 館内施設 | 相撲博物館(1階)・大相撲グッズ売店・飲食売店 |
駅からの近さは国技館の大きな強みです。改札を出てすぐという立地のため、雨の日でも移動の負担がほとんどありません。
2026年の九月場所はいつ開催されるか
2026年(令和8年)の九月場所は、9月13日(日)から9月27日(日)までの15日間、両国国技館で開催されます。中日(8日目)は9月20日(日)にあたります。東京場所は一月・五月・九月の年3回で、この期間だけ館内が本場所の姿になります。
アクセスと入場口
JR両国駅の西口を出ると、国技館はほぼ正面にあります。入場口は購入した席種によって案内が分かれるため、チケットに記載された入口を事前に確認しておくと迷いません。駅からのルートや入場口の詳しい行き方は両国国技館へのアクセス完全ガイドで解説しています。
Q. 国技館は本場所以外の日も入れますか?
A. アリーナ(土俵のある観客席)には入れませんが、相撲博物館とグッズ売店は本場所以外の期間も開いています。開館日や時間は限られるため、公式のスケジュールを確認してからお出かけください。
国技館でしか味わえない名物グルメ
国技館の楽しみとして必ず名前が挙がるのが、館内で味わう食事です。なかでも「国技館やきとり」は、この建物の地下にある焼き鳥工場で製造されているという、他の会場にはない背景を持っています。
地下で焼かれる「国技館やきとり」
国技館やきとりは、国技館の地下に設けられた焼き鳥工場でつくられています。本場所中は朝から仕込みが行われ、館内の売店で販売されます。手を土につけたら負けとなる相撲において、二本足で立つ鶏は縁起がよいものとされ、鶏肉が選ばれたと伝えられます。冷めてもおいしいように味付けされているため、持ち帰って自宅で味わう人も少なくありません。
ちゃんこと甘味
館内では、ちゃんこをはじめとする食事や甘味も販売されています。相撲部屋の食事として知られるちゃんこを会場で味わえるのは、本場所ならではの体験です。取組の合間に少しずつつまむ人もいれば、入場後すぐに腹ごしらえを済ませてしまう人もいます。
売店が混み合う時間帯
売店が特に混み合うのは、十両の取組から幕内へ移る中入りの前後です。この時間は多くの観客が席を立つため、行列が伸びます。ゆっくり選びたい場合は、正午前後の比較的空いている時間帯に買っておくと落ち着いて過ごせます。
Q. 国技館やきとりは会場に行かないと買えませんか?
A. 本場所中は館内の売店が中心ですが、両国駅周辺の売り場などで取り扱われることもあります。確実に入手したい場合は、観戦当日に館内で購入するのが分かりやすい方法です。
館内の見どころ|相撲博物館と野見宿禰神社
国技館の1階には相撲博物館があります。入館は無料で、錦絵や番付、化粧廻しといった資料を通じて相撲の歴史に触れられます。取組が始まるまでの時間を使って立ち寄る人が多い場所です。館内のどこに何があるのかを、階層で整理しておきましょう。
図のとおり、観客が過ごす座席の下に博物館と売店があり、さらにその下で名物が焼かれています。取組の合間に立ち寄れる距離感が、国技館の回遊しやすさにつながっています。
相撲博物館は入館無料
相撲博物館は、初代館長を務めた酒井忠正が収集した資料を基礎に、1954年(昭和29年)9月、蔵前国技館の完成と同時に開館しました。1985年(昭和60年)1月の両国国技館の開館に伴って移転し、現在に至ります。展示室は1室(150平方メートル)で、常設展示ではなく年3回の企画展示という形で資料が入れ替わります。訪れるたびに違う展示に出会えるのはこの博物館の特徴です。
展示室にある野見宿禰神社の授与所
展示室には、相撲の神様として知られる野見宿禰(のみのすくね)を祀る野見宿禰神社の御守や御札を扱う授与所が設けられています。授与時間は相撲博物館の開館スケジュールに準じます。観戦の記念に立ち寄る人も多い一角です。
施設ごとの開いている時間
館内施設は、本場所中と通常期間で開いている時間が変わります。ここを取り違えると「行ったのに入れなかった」ということになりかねません。
| 施設 | 通常期間 | 東京本場所中 |
|---|---|---|
| 相撲博物館 | 10:00〜16:30(最終入館16:00)/土日祝・年末年始は休館 | 12:30〜16:00・毎日開館(入場には観覧券が必要) |
| 大相撲グッズ売店 | 10:00〜15:00/土日祝・年末年始を除く毎日 | 国技館の入場者のみ利用可 |
| 入館料 | 博物館は無料 | 博物館は無料(ただし大相撲の観覧券が必要) |
表のとおり、通常期間は平日しか開いていない一方、本場所中は毎日開きます。臨時休館もあるため、訪問前に公式のスケジュールを確認しておくと確実です。
Q. 本場所中に博物館だけ見学することはできますか?
A. できません。本場所開催期間中の入館には大相撲の観覧券が必要です。観覧券を持たずに博物館だけを訪ねたい場合は、本場所以外の期間に足を運ぶことになります。
観戦当日の過ごし方|到着から結びの一番まで
本場所の一日は朝から始まり、夕方の結びの一番で幕を閉じます。全体の流れを頭に入れておくと、自分が何時に着けばよいかが決めやすくなります。
図に示した時刻はいずれも目安で、その日の取組数によって前後します。正確な時刻は場所ごとの観戦案内で確認してください。
何時に着くのがよいか
朝の開場からいれば序ノ口の取組まで見られますが、一日中座り続けることになります。幕内の土俵入りと幕内の取組を中心に楽しむなら、14時前後の入場でも十分です。館内をゆっくり見て回り、食事も楽しみたい場合は、13時ごろに着いておくと余裕が生まれます。
時間帯ごとの見どころ
午前中は幕下以下の取組が中心で、館内は比較的静かです。この時間帯は席の移動もしやすく、博物館や売店をまわるのに向いています。午後になると観客が増え、十両土俵入りのころから館内の空気が変わります。幕内土俵入り、横綱土俵入りと続き、結びの一番に向けて熱気が高まっていきます。
再入場のルール
国技館では、一度外に出てから再び入場することができます。ただし再入場は1日に1回までとされ、退場時に手にスタンプを押してもらい、それを確認して再入場する方式が取られています。時間の制限が設けられる場合もあるため、外出を考えている方は当日の案内で確認してください。入場券や引換証を紛失すると再入場できなくなる点にも注意が必要です。
Q. 途中で外に出て食事をしてから戻れますか?
A. 再入場の手続きを取れば戻れます。ただし1日1回までとされているため、外出は一度きりと考えて行動するのが安全です。館内の売店を利用すれば外出そのものが不要になります。
席種による楽しみ方の違い
同じ国技館でも、どの席を選ぶかで一日の過ごし方は大きく変わります。土俵に近いほど迫力は増しますが、そのぶん過ごし方に制約も出ます。
| 席種 | 雰囲気 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 溜席(砂かぶり) | 土俵のすぐ下。ぶつかり合う音が直接届く | 迫力を最優先したい人(飲食・撮影に制限あり・16歳以上) |
| マス席(升席) | 四角い枠に座布団。飲食をしながら観戦できる | 複数人で名物を味わいながら過ごしたい人 |
| イス席(2階) | 土俵全体を見渡せる。背もたれがある | 長時間でも楽な姿勢で見たい人・初めての観戦 |
マス席は伝統的な規格で区切られているため、大人が定員いっぱいで座ると、荷物の置き場も含めてかなりコンパクトに感じられます。ゆったり座りたい方は、少人数で利用できるマス席やイス席を検討するとよいでしょう。席ごとの見え方や配置は国技館の座席表を徹底解説で詳しく紹介しています。
快適に過ごすための準備
一日を通して館内にいることを考えると、事前の準備が過ごしやすさを左右します。特にマス席は限られた広さを共有するため、荷物と身だしなみに気を配ると全員が快適になります。
荷物は最小限にまとめる
マス席では靴を席の下に収めますが、収納の高さには余裕がありません。大きな荷物は座るスペースそのものを圧迫します。着替えや土産物を持ち歩く予定がある場合は、ロッカーの利用も検討してください。
後ろの席への配慮
高さの出る帽子や結い上げた髪型は、後方の視界をさえぎることがあります。会場では多くの人が同じ土俵を見ています。服装や持ち物を選ぶ段階で、後ろの席から見え方を想像しておくと安心です。持ち物や服装の詳細は相撲観戦の服装・持ち物・マナー完全ガイドにまとめています。
座り方の工夫
マス席は座布団に座る形式のため、長時間同じ姿勢でいると足がしびれることがあります。足を組み替えながら過ごす、休憩時に一度立って館内を歩くなど、体をほぐす時間を意識して作るとよいでしょう。折りたたみのクッションを持参する人もいます。
Q. チケットはどこで買えますか?
A. 公式のチケット販売サイトや相撲案内所(お茶屋)などで購入できます。人気の日程は先行抽選の段階で埋まることも多いため、早めの申し込みが確実です。買い方の詳細は大相撲チケットの買い方ガイドで解説しています。
チケットの入手方法は年々オンライン中心になっており、当日券についても販売方法が変わってきています。窓口に朝から並べば必ず買えるとは限らないため、最新の販売方法を確認したうえで計画を立ててください。詳しくは大相撲チケットの買い方完全ガイドと相撲案内所(お茶屋)とはをご覧ください。
本場所がない日の国技館
国技館の楽しみは本場所の15日間だけではありません。相撲博物館と大相撲グッズ売店は、本場所以外の期間にも開いています。以前はグッズを買うために観戦チケットが必要でしたが、現在は本場所以外の期間にも購入できるようになりました。両国を散策するついでに立ち寄れば、混雑を避けてゆっくり見て回れます。
ただし通常期間は土日祝が休みで、開いている時間も限られます。博物館は10時から16時30分(最終入館16時)、売店は10時から15時が目安です。展示替えなどで臨時に休館することもあるため、訪問前の確認は欠かせません。
まとめ
両国国技館は、取組を見るだけの会場ではなく、地下で焼かれる名物や、無料で入れる博物館、相撲の神様を祀る授与所までを含めた一つの空間です。当日の過ごし方を組み立てるときは、次の点を押さえておくと迷いません。
- 幕内から見るなら14時前後、館内も見て回るなら13時ごろの到着が目安
- 売店が混むのは中入り前後。時間をずらすと落ち着いて選べる
- 本場所中の相撲博物館は12時30分から16時まで。入館には観覧券が必要
- 再入場は1日1回まで。外出は一度きりと考えて動く
- 席選びは迫力と快適さのどちらを優先するかで決める
取組の詳しい流れや懸賞、土俵入りの見どころについては大相撲観戦の楽しみ方で、土俵上の力士について知りたくなったときは現役力士一覧や大相撲レファレンスをあわせてご活用ください。
館内に流れる時間は、朝の静けさから夕方の熱気まで、一日をかけてゆっくりと表情を変えていきます。地下で焼かれる鶏も、1階の展示室に並ぶ錦絵も、土俵の上の一番を支えてきた時間の積み重ねの一部です。そのすべてを含めて味わうことが、国技館という場所の楽しみ方なのだと思います。
